走ることは 自分が何であるかを自覚すること│唐沢寿明氏にインタビュー

Special Thanks:GO! GO! Rally Exective Committee

クラシックカーラリーには地域の協力が不可欠であるとともに、それがメディアに取り上げられ、SNSなどで拡散されることで開催地に注目が集まり、人が訪れる。参加者の宿泊場所やホスピタリティなど、経済的にも地域に貢献できる。ヨーロッパではラリーはクラシックカーのそれに限らず、地域活動の重要なひとつと考えられているが、昨年10月に開催された「GO!GO! ラリー in 東北~Classic car meeting 2019~」は、ラリーを復興支援目的のチャリティイベントとしたという点での好例だろう。
 
発起人は俳優の唐沢寿明さん。今回、撮影の合間を縫ってリモートによるインタビューの時間をいただいた。まず伺いたかったのはやはり今年第2回目の開催に意欲を見せていたラリーについてだった。「もちろん今年も開催するつもりでいました。おそらくまた東北地域になっていたと思いますが、ルートや宿泊先も変えて開催したいと考えていました」。
 
第1回の開催のきっかけは知人を介して石巻の方と接点をもったことから。東北大震災から数年が経ち、当時はたくさんの人の来訪がありながら、徐々に訪れてくれる人が減っていくのが寂しいという現地の生の声に動かされた。
 
十数年前から周囲に勧められて参加してきたクラシックカーラリーだが、回を重ねるごとにその競技性の部分よりも通過する街や地域での人の触れ合いに楽しさや喜びを見出すようになっていたそう。

「訪れる先の地元の方々が応援に来てくれて、握手したり一緒に写真を撮ったりしているうちに、勝ったとか負けたとかがあまり関係なくなってきたんです。あんなにみんなが手を振ってくれて、おじいちゃんおばあちゃんから子供達までとても喜んでくれる。こういう事って人の為にならないのかなとは思っていたんです」


 
自身が発起人となり、大会ポスターを漫画家の浦沢直樹さんに直接依頼したことも話題に。結果その主旨に賛同し参加した車両は117台。自身も1954年のポルシェ356スピードスターで奥様の山口智子さんとともに参加、2日間をかけて宮城県の沿岸部と山間部という対比的なルート350kmを巡った。

「第2回目はこのような状況下ですから中止としましたが、止める勇気も必要だと思っています。状況を見ながらですが、2021年の開催ももちろん考えています」
 

文:前田陽一郎(本誌) イラスト:あべ あつし 協力:GO! G O! ラリー実行委員会 Words:Yoichiro MAEDA(Octane Japan ) Illustration:Atsushi AVE Special Thanks:GO! GO! Rally Exective Committee

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