Aims for Higher Goals. アストンマーティンの過去と未来



アストンマーティンの新型ヴァンテージに、オープントップモデルの「ロードスター」が登場した。これまでアストンマーティンのオープン仕様といえば、「ヴォランテ」の名が1965年のDB6から使われることが多かったが、この新型ヴァンテージでは、より走りに徹した硬派なスポーツカー像を想像させる、ロードスターのサブネームが採用されている。


 
アストンマーティンによるポジショニングとしても、このヴァンテージは完全なスポーツカーとして位置づけられている。その証明のひとつといえるのがホイールベースの短さで、GTのDB11に対して、この新型ヴァンテージはその数字が約100mm短い。ボディーサイズは先代モデルから一回り大きくなったが、おそらくコーナリングでは、クイックで魅力的なフットワークのチューニングが感じられるに違いない。


 
搭載エンジンは、もはやアストンマーティン車ではお馴染みになった、メルセデスAMG由来の4リッター V型8気筒ツインターボ。ヴァンテージの場合は、これを510psの最高出力と、685Nmの最大トルクで使用する。組み合わされるミッションは、試乗車では8段ATだったが、ほかに7段MTを用意しているのも大きな特長。GT系のDB11やDBSスーパーレッジェーラとはややデザインのコンセプトが異なるコックピットに身を委ね、さっそくドライブを始めることにした。


 
アルミニウム素材を接着構造で成型したプラットフォーム剛性感は、いつもながらにドライビングへの安心感を高めてくれる。試乗車は最新のロードスターだが、それでもコーナリング時には剛性感に不満を感じることはなく、サスペンションの動きも、車速が高まれば高まるほどに自然な印象を強め、ステアリングにもさらなる正確さとレスポンスが生まれてくる。サスペンションはかなり硬めの印象だが、シャシーの設定を最もソフトにセットすれば、十分な快適感が得られるはずだ。



「セカンド・センチュリー・プラン」に基づいて成長を続ける、第二世紀のアストンマーティン。その第二世紀において誰もが感じるのは、ニューモデルの導入が、これまで以上に早く、そして魅力的なものになっていることだろう。スポーツカー、GT、スーパーGT、ハイパーカーと、各々のカテゴリーは異なれども、そのすべてに脈々と受け継がれているのは、やはり創業以来の伝統であるスポーティーな走りと、英国車の象徴ともいえる熟練した職人によって生み出される独自の高級感。それはアストンマーティンのDNAでもある。


ヴァンテージ・ロードスター
ボディサイズ:4465mm×1942mm×1273mm  
ホイールベース:2704mm
車両重量:1628kg
エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
排気量:3982cc
駆動方式:後輪駆動
変速機:8段AT
最高出力:375kW(510ps)/6000rpm
最大トルク:685Nm/2000-5000rpm
最高速度:306km/h
本体価格:2159万9000円(税込)


文:山崎元裕  写真:柏木龍馬

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