トルロニア財団とブルガリが共同で古典美術の傑作を修復

ブルガリは、芸術と芸術の収集への情熱のもと、古典美術分野における最も重要な私的コレクションの修復に向けてトルロニア財団と協業した。同財団の代表であるアレッサンドロ・ポーマ・ムリアルドが「人類の文化遺産であり、一族の次世代にとっても重要な文化遺産」と定義するトルロニア・コレクションに所蔵される90体以上のギリシャ、ならびに、ローマ期の彫像が、トルロニア財団の綿密な調査を経た緻密な修復により元来の輝きを取り戻した。

トルロニア財団の合意のもと、ブルガリは2020年10月14日から2021年6月29日まで開催される「トルロニア大理石彫刻-素晴らしい傑作を集めて(The Torlonia Marbles. Collecting Masterpieces)」世界巡回展示にて一般公開となる彫像の修復にメインスポンサーとして貢献。

修復活動のさらなる支援のため、ブルガリは展覧会のメインスポンサーも務めている。「トルロニア大理石彫刻-素晴らしい傑作を集めて」展は、文化遺産および活動および観光省とトルロニア財団との合意のもと実現した。コレクションの美しさを復元させる科学的な取り組みは、展覧会のキュレーターを務めた考古学者のサルヴァトーレ・セッティスとカルロ・ガスパッリが手掛けた。

カタログ出版のエレクタ社も、展覧会の実施とプロモーションを担当。展覧会のデザインはカピトリーノ管理局の協力のもと、リノベーションをしたカッファレッリ宮殿のカピトリーノ美術館に隣接する、建築家デイヴィッド・チッパーフィールドのミラノオフィスがプロデュース。

修復は作品に関するより深い知識を得る機会をもたらし、作品の歴史に新たな光を当てる。作業中にポルトのトルロニア家の家財において、紀元後3世紀の古代ローマのオスティア港のレリーフでの着色の痕跡が1864年頃発見された。これは、ポルトのトルロニア家の家財における、特に重要な発見である。コレクションの主任キュレーターであるアンナ・マリア・カルーバによって復元された胸像、レリーフ、彫像、石棺、装飾品は、トルロニア・コレクションに所蔵される620ピースから選び出された、古代彫刻とコレクションの歴史を物語る傑作となっている。

このたびの支援は、ブルガリがブランド生誕の地であるローマの芸術遺産を保護し、活性化するために実施した数々の支援活動のひとつだ。 トルロニア・コレクションは、ローマに集められ、一連の獲得作品、発掘建築物、トルロニア家間の数々の邸宅由来の彫像を再組織し、拡大してきた。トルロニア家の数世代にわたる芸術への情熱から生まれた同コレクションは、そのクリエイションの様々な段階を経て、古代美術品の収集の歴史を確立する「コレクションのなかのコレクション」であり、15世紀から19世紀の間にローマの名家により編集された多くの貴重なコレクションで構成されている。

トルロニア財団は、世界有数の古代大理石彫刻を所蔵するトルロニア・コレクションと新古典主義様式建築の至宝であるアルバーニ・トルロニア邸の維持と普及を目的としてアレッサンドロ・トルロニア公により設立された。トルロニア・コレクションとアルバーニ・トルロニア邸は、一族の手で大切に保存されており、財団による 絶え間ない、丹念な修復と、熱心な保管管理プログラムによって擁護されている。

修復プロジェクトの最初のステップは、予防的保存という現代の基準に従った、保存状態と必要な作業の種類を評価すること。アンナ・マリア・カルーバの言葉を引用すれば、「作品の保存状態を確実にするための最低限の行為」であり、作品の自然な風合いや時間の経過を物語っている作品の自然な風合いを変えることなく緩んだ粒子や以前の修復物のように、上塗りされた物質を除去することである。

修復された作品ごとに修復シートの本が作成され、写真による記録(修復前、修復中、修復後)、文書による記録、保存状態、以前の保存作業を示す図面、使用された技術と材料の説明(オリジナルの古代大理石、修復された古代大理石、適切でない古代大理石、再利用された古代大理石)により保管活動におけるストーリーが書き記されている。

トルロニア財団とブルガリの提携の枠組みは、財団と文化遺産および活動および観光省との間で、名品の修復と展覧会の開催を促進することを目的としている。

ギリシャとローマにそのルーツを宿すブルガリは、修復活動への支援により、すべての創造性の着想源となった 荘厳な美しさへの古典的な解釈へ敬意の表す。1884年、ローマに創業したブルガリは、130年以上にわたり 永遠の都 ローマとの強い絆を築いてきた。ローマはすべてのインスピレーションの源であり、コンドッティ通りに位置するブルガリのローマ本店は、国際的な名声を馳せるうえで支えとなる唯一無二の拠点だ。

ブルガリ グループ CEO ジャン-クリストフ・ババンは次のように述べている。「ハイジュエラーの使命は、自然からの贈り物を時代超える美を讃えたクリエイションに昇華することです。ギリシャやローマの優れた芸術家たちが何世紀にもわたり作りあげた大理石像の遺産を一般公開するというプロジェクトを支援することは、ごく自然な帰結でした。修復作業によって、私たちの文化的起源と、今日に至るまで、私たちが類まれな存在でありつづけられる美的感性を讃えたものです。私たちは、トルロニア財団という高いプロ意識と情熱を携えたプロフェッショナルなパートナーに出会いました。トルロニア・コレクションの彫像の純粋な美しさと表現力を間近に目にすることにより、訪れる人々は感銘を受け、長きにわたり、視覚と記憶に残ることと私は確信しています」

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