ラルフ・ローレンの美意識が生み出した 究極のスポーツエレガンス

機械式時計は、人類が生み出した英知の結晶であり、数百年間にわたって大切に守り続けられてきた。デジタル機器が発展した現代でも、機械式時計が愛されているのは、その文化に敬意を払っているからだ。伝説的ファッションデザイナー、ラルフ・ローレン氏も、時計文化を深く理解し、敬意を払う時計愛好家である。だから彼が手掛ける時計には、深い魅力がある。そのエレガントな世界に、酔いしれてもらいたい。

"餅は餅屋"とはいうものの、そのセンスが図抜けているのであれば、フレンチのシェフが作る餅だって相当美味であるはず。時計業界は歴史ある老舗の名門ブランドが幅を利かせているが、歴史と伝統があるゆえに、保守的にならざるをえないこともある。しかし逆に時計専業ではないブランドならではの自由な発想から生まれた時計が、専業を超える魅力をもつことも少なくない。
 
ファッションメゾン「ラルフ ローレン」と高級時計の組み合わせは、まさに奇跡の融合だった。そもそものきっかけは、ファッションデザイナーのラルフ・ローレン氏が、高名な時計コレクターでもあったということ。そしてラグジュアリーコングロマリット「リシュモン」と合弁会社を設立し、2008年から高級時計の製造を開始する。製品開発はラルフ ローレンが行い、ケースなどの外装はリシュモングループの工場に製作を依頼。そしてエンジンにあたるムーブメントは、ジャガー・ルクルトやピアジェといったリシュモン傘下の名門マニュファクチュールが製作した高性能ムーブメントを採用しため、新進ブランドであるにも関わらず、品質はすでに高級時計ブランドに匹敵するレベルにあった。

しかもデザインは時計コレクターらしくクラシックスタイルを得意とし、ケース表面にエイジング加工を施してサファリへの冒険旅行を好んだラルフ・ローレン氏のライフスタイルも投影するなど、他にはない個性があった。ラルフ ローレンの時計は、品質だけでなく、センスの良さでも光り輝いていたのだ。現在はリシュモングループとの資本関係を解消したが、ムーブメント供給などの関係性は継続しており、その品質を維持し続けている。
 
数あるコレクションの中でも、ラルフ・ローレン氏の審美眼が色濃く投影されているのが、彼が愛してやまないクラシックカーの世界を時計に投影した「ラルフ ローレン オートモーティブ コレクション」だ。これは彼が所有する1938年型ブガッティ・タイプ57SCからインスパイアされており、自動車のダッシュボードやハンドルをイメージソースとするエレガント系スポーツウォッチ。自動車×時計の組み合わせは少なくないが、その多くはモータースポーツやハイパフォーマンスカーとのコラボレーションとなる。しかしラルフ ローレンは、クラシックでエレガントな世界にこだわった。それは彼が作り出すファッションの世界にも通じる。


 
つまり「ラルフ ローレン オートモーティブコレクション」は、ファッションやヴィンテージカーといった自分が大切にする世界を楽しむ時を刻むための時計ということ。これほどまでに一個人の趣味的世界が濃密に詰まった時計はないだろう。だから一度この世界に魅了されてしまったら、代わりになるモノはない。ヴィンテージカーを愛し、優雅な時間を楽しむオクタン読者の琴線に響く時計がここにある。


RL AUTOMOTIVE CHRONOGRAPH
ジャガー・ルクルト製のムーブメントを搭載。アンボイナバール材を使ったベゼルは、1938年型ブガッティ・タイプ57SCのステアリングホイールをイメージし、ハンドセットスクリューで固定される。ケース表面には艶消し仕上げを施しており、道具のような迫力を加える。ブラックアリゲーターのベルトとステンレス製ブレスレットが用意され、クイックリリース式のピンバーで簡単に付け替え可能。自動巻き、ケース径42mm。スチールケース(アリゲーターストラップとブレスレットが付属)98万9000円(税別)/ラルフ ローレン 表参道 TEL:03-6438-5800


オートモーティブコレクションとは?

コレクションに新たに加わったクラシックなクロノグラフ優れたエンジニアリングと流麗なデザインが融合した1938 年型ブガッティ・タイプ57SC アトランティック・クーペ。その優雅な世界観を時計に投影したのが「「ラルフローレン オートモーティブ コレクション」。名車の内装からインスピレーションを得たデザインや素材を取り入れ、インデックスはメーター周りをイメージ。クラシカルな味わいを持った時計だ。

文:篠田 哲生 Words:Tetsuo SHINODA

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