北へ、南へ、シトロエン2CVと30年│第14回 アツギへGO!(後編)

都筑スマイルカフェミーティング(TSCM)が今回から場所をアツギトレリスに移して、その名もアツギスマイルカフェミーティング(ASCM)として生まれ変わった。11月22日に開催された記念すべき第1回のリポート、その後編をお届けしよう。



今回、会場となったアツギトレリスは、東名厚木ICから15分ほどの距離にあるショッピングモールだ。4階建ての建物内には巨大な家具のアウトレット店、スーパーマーケット、100均、アパレル、スポーツクラブ、内科、歯科、薬局、美容室、ネイルサロン、クリーニング店、靴やカバンのリペア店、銀行、宝くじ売り場、そしてフードコートなどがある。隣接して設置された1500台収容の巨大な駐車場は屋上を含めて5フロアあり、今回はその屋上の一角を借りている。

つまり、よくある郊外のショッピングモールなのだが、それゆえに奥様や彼女などを連れてきても、半日くらいなら退屈させることは多分ないだろう。素敵な2CVやフィアット500をもってしても女性の興味を惹き続けるのは2時間が限界という(筆者の)データもある。この手のイベントで同好の士とついつい話し込んでしまい、パートナーの機嫌を損ねてしまった経験のある方も多いのではないだろうか。これこそ会場を都筑からトレリスに移した最大のメリットかもしれない。特に家具のアウトレットショップはかなり大きいのでおすすめだ。

 

よくある郊外のショッピングモールのように見えると書いたばかりのトレリスだが、しかし、ちょっと他とは違う点もある。経営が地元資本で他の場所に展開していないからなのか、一般的なモールではあまり見かけないお店があるのだ。

2階は丸々フロアごと巨大なゲームセンターで、最新のアーケードゲームはもちろん、ボーリングやビリヤード、ラジコンサーキットもある。他の階にもインドアゴルフ練習場、ビリヤードやスヌーカーの専門アカデミー、そして駐車場の3階の一部を区切って期間限定だが本格的なカートコースも設置されている。



実は筆者は1年ほど前にトレリスに愚息を連れて訪れたことがあった。目的は家具でもなくネイルサロンでもなくラジコンだ。電動バギーで公園を走らせていた息子がタミヤの大会に出たいと言い出し、出るからには必勝を期すため(笑)、大会と同じようなカーペットのサーキットを探していたら、ここにたどり着いたというわけだ。今回はついでにカートもできるということで、愚息は喜んで付いてきた。親子円満にもこの会場はもってこいだ。

というわけで、ラジコンコースを訪れてみたところ、なんとコースが増えているではないか。以前はたしかカーペットの1コースだけだったのが、ドリフト用2コース、バギー用1コースの合計4コース構成となっていて、特にドリフトコースはご覧のような大賑わいだった。



最近の電動RCカーのトレンドはドリフトに移っているようで、バギーコースは割と空いている。息子のDT-03と自分のXV-01で走り出すが、ジャンプ台のセッティングが結構厳し目で、あっという間に貴重なインプレッサWRXのボディを割ってしまった。
 
応急修理をしたものの、今度はジャンプの着地に耐えられずダンパーが壊れてしまった。ロングダンパースペックとはいえ公園ダート用のXV-01の足回りではやはり無理だったようだ。次はダンパーを強化して臨もう。

一方で息子のDT-03は激しいクラッシュを繰り返しながらも無事に走り続けている。このあたりは入門用とはいえDT-03はさすがタミヤのバギーだ。いや、入門用だからこそ頑丈なのかもしれない。プッシュアンダーが強いのはたまにキズだが、リアモーターの後輪駆動だから仕方がない。自動車の挙動変化を覚えるには安定している四駆よりこちらの方がおすすめだ。



さて、何の記事を書いているのだろうか。そうかカートだ。駐車場の3階に移動しよう。ここ「サーキットがやってくる!アツギトレリス店」は現時点では2021年1月31日までの期間限定で一般の営業時間は13時以降、2月はお休みが決まっている。その先はまだ未定とのことだ。



運営はカートイベントを各地で実施しているふじなみランドなので、カートもコースも本格的だ。愚息はややスリッピーなコースと、遊園地のそれとは異なる馬力のあるカートにビビりながらも楽しそうに周回を重ねていた。

そんなこんなで2時間ほど留守にしていたイベント会場に戻ると、2CV乗りの知り合いたちがいつもの光景を繰り広げていた。



毎年、フレンチブルーミーティング(FBM)の2CVクランク掛け競争で「掛からない芸」を披露しているカシワギさん(仮名)がお店を広げて、どこで拾ってきたのかわからないようなパーツを売っていた。カシワギさんは前々回紹介した埼玉のガレージ仲間だ。「そのマフラークランプはもしかしてガレージに落ちていたものではないか?」と指摘したらタダでくれたので、たぶん本当に落ちていたものなのだろう(笑)。



全部、2CVに積んできたとは思えないほどのそのパーツの山の中から、すかさず425cc用のエアクリーナーエレメントを見つけ出し、値切っていたのは2CVの神様と一部で呼ばれているハラシマさん(仮名)だ。値切っていたのではなく適正な相場を教えてあげていたのだ、と神様はおっしゃる。なんと親切な人なのだろう。



神様は親切なので、次にドアミラーがグラグラして困っていた2CVの修理を買って出たようだった。モリヤさんも加わってドアが外され、あっという間にミラーは直ったようだ。





他にもキャロルのヨシトモさんはグリムノーツ2CVを持ち込み、イラストレーターの小出さんの作品販売会なども行われていた。会場のBGMが終始80年代のロックだったのはサイトーさんの趣味に違いない。



今年はFBMがオンライン開催だったこともあったのだろうか、今回のアツギスマイルカフェミーティングではずいぶん多くのシトロエン乗り、2CV乗りの知り合いに思いがけず会うことができた。運営してくれたサイトーさんやボランティアの常連さんには感謝の気持ちでいっぱいだ。


 
ご存知のように12月に入ってから先行きは再び不透明になりつつある。Withコロナ時代の自動車イベントは運営側の負担が重く、まだまだ課題も多い。次回のアツギスマイルカフェの開催予定も未定だそうだが、とはいえ少しずつ前に進んでいきたいと願う2020年の暮れなのであった。

 

アツギトレリス https://www.atsugi-trellis.jp/
サーキットがやってくる!アツギトレリス店 http://atsugi.fujinamiland.co.jp/

文・写真:馬弓良輔 Words & Photography: Yoshisuke MAYUMI

文・写真:馬弓良輔 Words & Photography: Yoshisuke MAYUMI

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