進化をもたらしたものは何か?見事な仕上がりを見せるレクサスのラインナップ

レスサスとしてはモノ作りの重要さと、ブランドコンセプトを次代に繋いでいくために、1989年にデビューした初代レクサス(日本名セルシオ)のレストアを社内で行っている。



とくに乗り心地は、歴然とよくなった。資料にはランフラットタイヤの縦バネ剛性、スタビライザーのばね定数、リバウンドストッパーの先端剛性の最適化や、フロントサスペンションの高強度アルミ鍛造アームへの変更やタイヤの質量低減によりばね下質量を約35kg軽量化……など、改良点が列記されている。が、その説明に目を通すまでもなく、乗って、(常套句だが)タイヤが1回転もすれば、しなやかでバランスのとれた足回りに一変したことがわかった。ほかにもダンパー、エンジンマウントの減衰特性の改良や、新開発という低反発ウレタンパッドの採用やシート表皮の縫い目をより深い位置に変更するなどもしているという。おそらくそれらも奏功して、フロアやシートから身体に感じられた微震動も路面を問わずほぼ撲滅されている。後席に座ってみると、ドライバーのステアリングさばきによってはヨーの発生が気になる瞬間がなくはないが、乗り心地に関しては「これでやっと、ありのままのレポートが書ける」と胸を撫でおろした次第だ。


 
もちろんパワートレインも、ユニット自体に微に入り細に入り改良が行われたことで、全体として機械的なストレスが一層小さくなり、より適切な特性が発揮されるようになった。なので定常走行でも無用に神経を遣うことなく走らせていられる車になった。ちなみに最新のラインアップでは、3444cc(ボア×ストローク=85.5×100.0mm)のV6ツインターボ(422ps/61.2kgf・m)と、3456cc(同=94.0×83.0mm)のV6(299ps/36.3kgf・m)+交流同期型モーター(180ps/30.6kgf・m)の2つのパワートレインが用意され、それぞれ後輪駆動とAWDが選べるようになっている。タイヤサイズは仕様により19インチまたは20インチ(F SPORTは前後異なサイズ)ですべてランフラットタイヤとなる。試乗会場で複数仕様を十分に試してはいないため断定はできないが、最新のLSなら、どの仕様、スペックを選んで乗っても、まず期待を下回ることはないと思う。




 
「銀影ラスター」と呼ぶ陰影が印象的なボディ色の新設定始め、灯体など外観ディテールもリフレッシュされた。装備、アメニティの充実度は今さらいうまでもないが、後席に座っていると電動サンシェードがドアガラスだけでなく小さなリヤクォーターウインドにまで備わって作動し、リヤウインドは左右の両端がピラー内に入れられ(世界初という!)スッキリした見栄えであったりと、細かな気配りはレクサスならではのものだ。カタログを見ると、メーカーオプションながら内装色、加飾などの選択肢も幅広く用意されている。LSの世界観、ここに極まれり、といったところか。 


LS500h 2WD(FR) “F SPORT” 13,510,000円(税込)

文:島崎七生人


文:島崎七生人、松田秀士  写真:尾形和美

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