進化をもたらしたものは何か?見事な仕上がりを見せるレクサスのラインナップ

レスサスとしてはモノ作りの重要さと、ブランドコンセプトを次代に繋いでいくために、1989年にデビューした初代レクサス(日本名セルシオ)のレストアを社内で行っている。




レクサスIS 松田秀士の見解
レクサスISの改良モデル。まずはエクステリア。ヘッドライトの定位置薄型化により精悍な顔つきになったことと、ボンネットのボリューム感がグラマラスに感じる。なんだかパワーありそう!という印象だ。リヤコンビネーションランプの一文字化も低重心と同時に気品を感じさせる。リヤ周りのプレス造形はいつも感心させられるエリア。筆者はアストンマーティンのニューポートパグネル工場で最後の手作りで製作されるバンキッシュを見学したことがあるが、職人がハンマーを叩いてトランクフードを仕上げる、あの時の造形を思い起こさせるほどに魅力的なプレスだ。他に細かいところでは、ドアサイドのベルトモール付近段差のフラッシュサーフェス化によって車体サイドのエア流をスムーズにしている。結果としてこれがリヤの安定性を増しているらしい。今回の試乗会ではIS300、IS350、IS300hに試乗。300と350はFスポーツ(350はFスポーツのみの設定になった)。IS350 Fスポーツから試乗する。



Fスポーツのインテリアには専用のスポーツシートを含めてフレアレッドと呼ばれる真っ赤な配色。ヤル気!が充満するが、座ると包み込まれるようなフィット感が心地よい。スポーツバケット系のシートだが、ホールド性だけでなくコンフォート性もしっかり兼ね備えている。試乗会場の富士スピードウェイ名にあるレクサスカレッジを後にして、そのまま明神峠と呼ばれるワインディングに向かう。急登坂の非常にトリッキーな峠道。往復するので登りと下りの両方のハンドリングを試すことができるのだ。

登り始めは民家もあるので非常に低速での走行。既におやっ!と感じていたことだが、ロードノイズを含めて静粛性がとても高い。乗り込んでドアを閉めた時から密閉性の高さからか、耳障りないわゆるノイズを感じない。さらに路面からの突き上げ感がなく、とても乗り心地が良い。スポーツシートだからそれなりにしっかりしているので、サスペンションやボディのマッチングが良いのだろう。で、踏み込んでみた。何を?当然アクセルです。



V6 3.5リッター 自然吸気エンジンは力強く急坂でもスムーズにそして力強い。速度が上がっても足のこなしはとても優秀で強めのアンギュレーションでもボディが煽られることもない。フラットライドなのだ。ターンに切り込む時の応答もとても素直。フロントの重さを気にすることなく、応答から、切り足しの反応も分かりやすくスムーズだ。サスペンションのレート(スプリング&スタビライザー)が硬すぎないからブレーキングや切り初めにスムーズなロールがあり、フロントセクションの剛性アップによる過敏さを帳消しにしている。硬ければ瞬間移動的に向きを変えるだろうが、それでは切り足しの反応が落ちてしまう。ちょうど良いレベルだ。初期ストロークのホイールトラベルがとてもスムーズで、19インチでタイヤサイズもアップされているそのタイヤのグリップ面の変形をコントロールするダンパー減衰も非常にマッチしている。バンプストッピングラバーの材質を変更したとのことだが、これもバンプタッチを感じさせずロールを抑えている。

文:島崎七生人、松田秀士  写真:尾形和美

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