進化をもたらしたものは何か?見事な仕上がりを見せるレクサスのラインナップ

レスサスとしてはモノ作りの重要さと、ブランドコンセプトを次代に繋いでいくために、1989年にデビューした初代レクサス(日本名セルシオ)のレストアを社内で行っている。



新・下山のテストコースでじっくり煮詰めたと聞くが、早くもテストコースの恩恵がISに現れている、と見た。頂上付近でUターンして下りだ。以前のIS350ではちょっと苦手。粗が露出していた。下りながらのハードブレーキングからのS字の切り返し。嫌がる。右⇒左コーナーへの体勢が出来上がるのに遅れがあった。ドライバーがステアリング操作で合わせてやらなくてはならなかった。それが、はっきり変わっていた。俊敏である。無理やりステアリングアクションを起こしてもついてくる。なんといってもブレーキが良い。下りで思いっきりフロントにストレスがかかっているから、ボディー剛性のマネージメントが大きく進化したのだろう。そこにアドヴィックスのブレーキのコントロール性の良さが+された。そのブレーキ、ペダルタッチから踏み込みそしてリリース、このコントロール性が良く、無効ストロークも最小で剛性もある。ただ下りでは最後にフェード気味になった。当たり前のこと、ここは激しいから。その時に気になったのは摩擦音が大きくなったこと。



何がこのような進化をもたらしたのか?まずホイールの締結方式が変更された。これまではよくあるタイプで、ハブ側からスタットボルトが出ていてそこにホイールをひっくり返すようにセットしハブナットを回して固定締め付けていた。これをハブ側にねじ溝が切ってありそこにハブボルトを差し込んでホイールごと締結する方式に変更したのだ。この方式だとハブボルトだけですみナットがないぶん軽量化になる。しかもハブ剛性がアップする。締結部は1輪あたり5本あるのだからバカにならない。バネ下で回転部分だからちょっとした軽量化はジャイロ効果の低減につながる。しかもボルトはナットよりも細いので、ホイールのボルト穴径を小さくできる。これによってホイールのスポーク部が長くなり、デザイン性も上がったのだ。もちろんこれだけではない。

そもそも走りの良さについては定評のあったレクサスIS。今回のモデルチェンジではホイール装着をハブボルトによる締結構造に変更したことの効果が著しい。高剛性化とばね下の軽量化によって手応えのある操舵感を実現した。ホイール穴が小さくなり、スポークデザインが長く見えるのもにもカッコ良い。


フロントサイドメンバー周りにスポット打点55点の追加や構造の見直し、構造用接着剤、レーザ-スクリューウェルディングなどボディ全体を見直したことも大きい。すでに文字量を大幅に超過していて、IS300FスポやIS300hに触れられないこと、お許しを。IS300Fスポーツはハンドリング面において350と何も変わらない。フロントが軽くなっていることでよりシャープ感があるが、ボクのお気に入りは350だった。言い過ぎではない、ISがベンチマークとしてきたBMW3シリーズMスポーツを超えている、と感じたのだ。


IS350 “F SPORT” 2WD (FR)  6,500,000円(税込)
IS300h “F SPORT” 2WD (FR) 5,800,000円(税込)

文:松田秀士


文:島崎七生人、松田秀士  写真:尾形和美

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事