ロイヤルエンフィールドに見る、ベーシック・オブ・モーターサイクルの今



さて、ヒマラヤ。ちなみに英語表記ではHIMARAYANながら、日本語表記はヒマラヤで間違いないそう。そのヒマラヤはなかなかユニークな立ち位置になりそうな、ロイヤルエンフィールドのニューファミリーだ。
 
何がユニークか。まずどこから見てもその名の通り、アドベンチャー・マインドを掻き立てるそのルックスにして、車格が思いのほか小さいところ。筆者は身長180cmだが、またがるとベッタリと脚がつき、膝にはまだ余裕があるほど。とかく大型化の一歩を辿る傾向にあるマルチパーパスモデルだが、このサイズを待ち望んでいた層の掘り起こしに期待できそう。それでいてフロント19インチ、リヤ17インチの設定により、オフロードタイヤの選択肢は無限だ。個人的にはこのルックスで、本格オフ用のブロックタイヤなんていう組み合わせが見た目にはいいと思うのだけど。
 
ヒマラヤ

さらにその販売価格にも注目したい。歴とした海外ブランドながら、車両本体の価格が50万円台に抑えられているのがすごい。率直に言って細部の作り込みなどコストダウンの形跡がないわけではない。が、泥だらけになって遊ぶ道具としての存在と考えれば、過度な(見栄えの)クオリティよりも、「必要なものだけがついていて、不必要なものはついていない」というメーカーの言葉通りに、必要にして十分と言うことだろう。もちろん「ハンドルやハンドルレバーなんてどうせ自分好みにしたいから」という向きは、ベース車両が安価に抑えられていることのメリットの方が大きいだろう。
 
こうやって書き連ねていくと、そのターゲットは国産の250ccクラスのオフロードでは足りず、海外勢の大型アドベンチャー系では持て余し気味という、まさにど真ん中にありそうだ。ただし、ユニークと言ったのにはもうひとつ理由がある。それは410ccというその特異な排気量にある。世界をマーケットに考えた排気量設定ゆえ、日本独自の排気量制限に合わせていられないメーカーの意向もあるだろうが、大型免許保有者はともかく、女性ライダーにオススメしたい、と直感的に思った筆者からすると、なんとも勿体ない排気量だ。
 
ともかく、”そういえばないよね”と膝を打つこのヒマラヤ。本格的なオフロードライドは都合上未経験だが、街を走ってみた限り、21インチのフロンはゆったりとしたハンドリング。410ccの単気筒は軽快でストレスない吹け上がりだった。あと10cm身長が低かったら、オプション設定されるアルミ製のサイドケースを装着して、ぜひ自分好みにカスタマイズして所有してみたいものだ。


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