芸術作品に生まれ変わったポルシェ911 シンガー サウスハンプトン・コミッション

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クラシックポルシェは古い車だからといって時代遅れになることはなく、実際に今でも高い人気と価値を誇るのは疑いようのない事実だ。とはいえ60年以上前から生産されている車であることに変わりはなく、レストアが必要な場合も多い。

特にポルシェ911はコレクターの間でも人気が高く、オクタンでも過去に数々のユニークなレストアを紹介してきたが、シンガービークルデザインよりも優れていたものはなかなかない。シンガーは古いポルシェをただレストアするだけではなく、車を芸術品と呼べる代物に作り変える。

先日、「サウスハンプトン・コミッション」と呼ばれるシンガーの新しい作品が発表された。相変わらず彼らの仕事が一流だと実感できる1台だ。



この新しく生まれ変わった911はゴージャスなティールカラーに包まれているが、車のフロント、リア、サイドに薄いブルーのストライプがペイントされており、サイドのストライプの上にはオレンジタンで仕上げられたPORSCHEの文字が輝く。

シンガーは今までどの作品でも、エクステリア関してはできるだけOEMであることが分かるように作ってきた。サウスハンプトン・コミッションはクラシックなフックスタイルのホイールを履いており、ブレーキキャリパーはオレンジ色に塗られている。少し変わった組み合わせだが、それもシンガーならではの良さだといえる。



美しいボディの下には、シンガーによってチューンされた390hpを発揮する4.0リッター、水平対向6気筒NAエンジンが隠れており、トランスミッションは6段で後輪駆動となっている。ベースとなった911よりも刺激的なのは間違いないだろう。

インテリアは外装同様クラシックな雰囲気だが、エアコンやナビなど現代的な装備も馴染む上品なスタイルになっている。オレンジタンのスエード張りの内装は、これ以上合うカラーはないのではと思わせるくらいボディのティールカラーにマッチしている。しかし内装はオレンジタン一色というわけではなく、カーボンファイバー製のシートのストライプやコンソール部分は外装色のティールカラーであり、シートを固定するグロメットもブロンズ仕上げとなっている。ステアリングホイールはまさにクラシックポルシェのそれというべきスリムでシンプルなものだが、黒のスエードで覆われていているのが特徴的だ。



サウスハンプトン・コミッションを製作するのにどれくらいの金額がかかったのかは明らかにされていないが、少なく見積もっても5000万円はかかったことが予想できる。

金額的にも容易に実現できることではないが、クラシックポルシェを手に入れたらシンガーでレストアするのを夢見る人も多いだろう。もちろん私もその1人だ。


オクタン日本版編集部

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