ミニクーパーは世界で最も有名な車のひとつといえるだろう。実用性や信頼性が高いだけではなく、アフターマーケットにおけるチューニングシーンやレースシーンにおいても注目を集めている車である。
ミニは他の多くのブランド同様エレクトリック化の可能性を探し続けてきた。そしてミニ初の完全EVである2021ミニクーパーSEが発表され人気を博している。このミニクーパーSEに目をつけたのが、今までにも様々なエキサイティングな車を生み出してきたドイツの名門チューニングメーカー、ACシュニッツァーである。
<ACシュニッツァーとは?>
ACシュニッツァーはドイツに本拠地を置くBMWグループのモデルを専門に扱うチューニングメーカーである。
1987年に世界的に有名なツーリングカーレーシングチームのオーナーで フライラッシングにてBMWディーラーも持つハーベルト・シュニッツァーと、アーヘンを拠点として多くのBMWディーラーを展開しているウィルヘルム・コールが“ ACシュニッツァーオートモービルテクニック”の名称のもとに、BMW車輌用の特殊製品及びアクセサリの販売を行う為の契約書に互いに署名した。これが世界中に広がるアクセサリーが生まれた瞬間であった。
この時、 ハーベルト・シュニッツァー率いるレーシングチームは、一般車のチューニングには余り関与していなかった。活動の中心はモータースポーツでその分野での彼等は、名声を欲しいままにする程のレーシングチームだったのだ。
一方、販売、営業及び戦略を専門とし今日アーヘンに7社のディーラーを持つコールオートモービルは、 ハーベルト・シュニッツァーにとって最も理想的なパートナー。コールオートモービルは、世界最大のBMWディーラーの一つでありBMW AGからも高く評価されているディーラーだった。
ハーベルト・シュニッツァーとウィルヘルム・コールとの契約の中で名称の選定があった。これから生まれる新しい会社が二人のパートナーにより創設運営される独立した会社である事をはっきりさせるためにシュニッツァーの前に“AC”をつける事が決定したのだ。“AC”は、アーヘンという地域の正式な略称である。ドイツ国内において、 AC シュニッツァーの製品は、 BMWディーラー網を通じてのみ販売されている。
現在では、ドイツ国内にある430店ものBMWディーラーにて取り扱いがあり、日本でも正規代理店を通じて購入することが可能だ。
そんなACシュニッツァーからミニSEをより速い車にすべく、新たなアフターパーツが発売された。強度、剛性、耐候性の高いポリマー樹脂製の取り付けが比較的簡単なフロントスプリッターや、リアのローディングエッジを傷から保護するための保護フィルムなどである。フロントスプリッターが追加されたことで、ダウンフォースが大幅に上昇している。フロントスプリッターは基本的にはブラックだが、要望に応じて好みのカラーを選ぶこともできる。
SEはEV化したことで当然ガソリンエンジンのミニクーパーよりも少し重くなっている。そこで新しく特別なサスペンションスプリングキットも開発された。このキットをインストールすると、車高がフロントは約25~35mm、リアは約20~30mmほど下がり、重心は約1%低くなる。それによりドライビングダイナミクスとコーナーハンドリングの性能も大きく向上した。さらに足は215/35R19インチのタイヤと、非常にセクシーなデザインのACシュニッツァーAC1のリムに履き替えられる。
インテリアに関してはそれほど大きな変更は加えられていないが、よく見るとACシュニッツァーによって少しスパイスが加えられていることがわかる。足下にはアルミニウムペダルが装備されており、iDriveシステムのコントローラーもアルミ製の「ブラックライン」でカスタムされている。
SEの元々の性能は、0-100km/h加速が7.3秒、最高時速は約150km/hであり、正直ホットハッチとまではいえない。それゆえにこの車にはACシュニッツァーのキットをインストールする価値があるのではないだろうか…。
オクタン日本版編集部
2024.09.09
スーパーカー世代にはたまらない!ペブルビーチに集った「ウェッジシェイプ ...
今年のモントレーカーウィークで最も印象的だった出来事は、スーパーカーブーマーの世代がその昔の若い頃フツウに憧れていた同世代のモデルが至る所で脚光を浴びていたことだった。具体的には70年代以降、80年代 ...
2024.09.02
フランスのクラシックカー雑誌『Gazoline』が主催するミーティング ...
フランスにも多くのカー雑誌がある。クラシックカーを中心に扱う雑誌の一つに『Gazoline』(ガソリン)がある。フランスに移住する前、まだフランスと行き来していた20年以上前に、この『Gazoline ...
2024.08.30
連載:アナログ時代のクルマたち|Vol.34 ペガソZ102 クプラ
ペガソというスペインの自動車ブランドを知るにあたっては、多少なりともスペインの歴史を知る必要があるだろう。第2次世界大戦開戦の直前までスペインは内戦状態にあった。結果は反乱軍の勝利となり、権威主義政権 ...
2024.08.16
連載:アナログ時代のクルマたち|Vol.33 ポルシェ906
日本のレース史における創世期において、もっとも大きな影響を与えた車がポルシェであることに異論はないと思う。第2回日本グランプリにおいて、スカイラインGTと死闘を演じたマシンがポルシェ904。このマシン ...
2024.08.11
「あやうく本当の姿を見逃すところだった」|ジェントルマンのためのスーパ ...
大胆にもマセラティは、ミドマウントエンジンカーのヒーローたちが待ち構えるマーケットに、洗練されたボーラを投入した。テスターのリチャード・ヘーゼルタインは、マセラティ・ボーラを“宝石のような ...
2024.08.09
20年以上もの間、日本に「新車」状態で存在していた !? 波乱万丈なイ ...
以前、octane.jpでとり上げたことがあるイズデラ・インペラター108iは、1984年から1993年にかけて30台しか生産されなかった車両である。そんな車がアメリカ・カリフォルニア州を代表する車の ...
2024.08.30
ひと枠10万円で憧れのスーパーカー、ランボルギーニ・ミウラやカウンタッ ...
アート作品を共同保有する日本初(※1)のプラットフォームビジネスを始めた「AND ART」(サービス名 AND ART)が、会社名を「AND OWNERS」(同 & ONWERS)へ変更すると同時に、 ...