「車に決して逆らってはいけません」ランボルギーニ・ディアブロを操る

Photography:Max Serra



「あくまでもボスはディアブロです。車に決して逆らってはいけません。本当の意味でディアブロを操るにはF1ドライバー並みのテクニックが必要でしょう」 それでも、シードルはディアブロを愛して止まないようだ。「本当に楽しく、そして素晴らしい車です。だから、出かけるときにディアブロを選んだとしても、その選択を後悔することは決してありません」
 
1991年製ディアブロをドライブする。これほど早い時期に製作されたディアブロを操るのは私にとっても初めてだ。しかし、3000rpmを超えたあたりでかつての記憶がよみがえり、胃の辺りがキリキリと痛み始めた。轍の残る路面ではステアリングがとられやすいので、真っ直ぐ走らせるだけでもひと苦労する。それより"10歳年下"の6.0SEにも似た傾向は見られるが、その症状はずっと軽い。おそらく、改良型の調整式ダンパーを装備した効果だろう。


 
トスカーナの道を走ってすぐに感じたのは、たとえ今日の基準で評価しても、ディアブロが極めてパワフルで速いことである。初期型はよりワイルドで、軽量。いっぽう、後期型はより高性能なタイヤと桁違いに大きなブレーキ、そしてABSを装備しており、大幅に洗練されていて建て付けがよく、挙動も安定している。残念なのは、上乗せされたパワーが車重の増加分で相殺されていることくらいだ。
 
それにしても初期型ディアブロで忘れがたかったのは、そのエンジンサウンドである。サンタガータ・ボロネーゼで組み立てられた48バルブ、4カム、V12エンジンはあなたの頭のすぐ後ろにあるのだ。そのスロットルペダルを思い切り踏み込めば、パヴァロッティが歌うアリア「誰も寝てはならぬ」のクライマックスを髣髴とする感動が訪れ、全身に鳥肌が立つだろう。そんなときにはエグゾーストノートが天にも届くように感じられるかもしれない。その天にしても、雲がなく晴れ渡っていれば、エグゾーストノートはより高くまで響き渡るだろう。

ただし、もしも雨が降っていたら、その日はディアブロではなく、家族が所有するパンダで出かけるのが得策だ。

編集翻訳:大谷達也 Transcreation:Tatsuya OTANI Words:Massimo Delbò Photography:Max Serra

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