名前の由来は「小さいけれども凶暴な猛牛の血統」 !?

Photography:Max Serra/Lamborghini

この記事は『「誰もが気軽に楽しめるランボルギーニ」を作るため誕生した一台とは?』の続きです。

一方、スタンツァーニはというと、まったく新たな90度V8エンジン、2.5リッターのショートストロークユニットの開発に余念がなかった。できるだけ軽く仕上げるべく、材質はすべてアルミニウム合金とし、ブロックも2体の鋳造品を20本のスタッドボルトで組み合わせる方式とした。

ごく初期のプロトタイプから吸排気バルブとスパークプラグ用の窪みだけを備えた、フラットなヘロン型シリンダーヘッドを採用していたのも特徴だ。各バンクのカムシャフトはメンテナンス性を考慮した結果、タイミングベルト駆動としたものの、それが欠点であることが分かったため、後に3リッター DOHC化された際にはタイミングチェーン方式へと変更されている。

 
足回りは全輪にマクファーソンストラット式を採用した。確かにセッティングには難もあったが、なによりスペース効率に優れていたのだ。アメリカの衝突保安基準に適合させるため、ステアリングのラックとピニオンは爪先のすぐ向こう側にクラッシャブルなコラムとともに備えつけられている。
 
計器類の変わった配列もまたインテリアを個性的に見せた要因だった。1970年にトリノで発表されたショーカーでは、ダッシュボードのセンターに計器類が集中して配されていたのだが、1972年になってようやく登場した初期の生産モデルではステアリングホイールを取り囲むように置かれ、中でも左右の端に対照的に置かれた大きなタコメーター(向かって左)とスピードメーターが特徴的だった。


 
当初はウラッコのバッジが見当たらなかった。名前は最初のプレスリリースが発信される直後まで、シンプルにP250だったのだ。Pとはポステリオーレのイニシャルで、ミウラと同様にリア置きエンジンであることを表したものだった。しばらく後にフェルッチオ自身がウラッコという名前を選んでいる。小さいけれども凶暴な猛牛の血統に由来するネーミングだった。

編集翻訳:西川 淳 Transcreation:Jun NISHIKAWA Words:Massimo Delbò Photography:Max Serra/Lamborghini

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