スーパーカー市場を席巻したロータスの名作

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この特徴的なイギリスのスポーツカー、ターボチャージャーをボルト付けしたロータス・エスプリは、車業界のメジャーリーグに突如登場したのだった。

ジウジアーロの楔形デザインでスーパーカーの縄張りに飛び込んだこの車は、0〜60mphが6秒以下、トップスピードは150mph以上だ。これ以前の同車は、1986年式の「HC」または「high compression」の最終型のモデルで、そのパッケージは強力だが使いやすく、比較的頑丈なマシンへと改良されていた。

ロータス社は、生産の最終年度に限定のエスプリ・ターボを22台製造し、独創的な「リミテッド・エディション」という名が付けられた。これらはツートンカラーで塗装され、事実上のオプション装備が全て追加され、プラチナシルバーのシリアルナンバープレートが付けられた。



このリミテッドエディションに歴史的な意義は多くないかもしれないが、ピーター・スティーブンスによる新デザイン前のエスプリの、最終最後の進化を十分表現している。この個体は、UK Sports Cars社がポルトガルから調達した10号車。元々はイギリスで発売され、最初で最後のイギリス人オーナーが2004年に国外のコレクターに転売した。カラーはエセックスブルーで、側面に沿って地中海の青色が驚くほど繊細に散りばめられている。

また、今もオリジナル仕様のシルバーのBBSホイールを履いている。このエスプリは、走行距離が54,000マイルだとは到底見えず、ツートンカラーのスウェードとレザーのインテリアはオリジナル状態で、良好な状態だ。それに、グラフィックイコライザー付きで年代物のクラリオン製ラジオカセットプレイヤーも健在だ。



特筆すべきは、ガラス製のタルガサンルーフと動作確認済のエアコンで、共に出荷当時の純正オプションだ。更に、最も独特な装備は、作り付けのラゲッジエリアと、それにぴったりフィットするブリーフケースだ。イギリスに話を戻すと、ロータス社にはフルレコミッショニング(再委託)サービスがあった。



この車もロータス社の認証済で、原産地証明書、ロータス社アーカイブによる確認書付きだ。それには、オリジナルの製造番号、製造日、仕様書が含まれる。また、ノーフォーク郡のオリジナルの登録書も使用可能となっている。今この車を見ているだけで、古き良き時代にタイムスリップしそうだ。

ロータスは、ライトウェイトの原則に徹しながらこのスーパーカーを仕上げた。また、柔軟なサスペンションがその独特で大きな魅力になっている。そして大ヒットとなった。

偉大でエキゾチックなスーパーカーにも対抗でき、少なくともピュアなパフォーマンスや良いハンドリング性能は確保され、スーパーカー市場を席巻したのだ。

オクタン日本版編集部

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