2台の素晴らしきワンオフミニをグッドウッドサーキットで試乗!



クラブマンに乗り換えると、最大の違いはダッシュボードとフラットなボンネットだった。サウンドはもっと荒々しく、加速で少し上回る。なぜか大きく感じるが、これはジェリー・マーシャル・トロフィーで使われるタイヤが太く、グリップも大きいためだ。バーネットは、GTのほうがアグレッシブで、思い切りと正確さが要求されると話す。まさにそのとおりだった。要するに現代のレーシングカーに近いのである。

限界は高いが、その範囲は狭く、境界も明確だ。カントリーマンはグリップ限界に早く到達するけれど、それを超えても操る余地を大きく与えてくれる。対してクラブマンは、より長く粘るものの、そのあとはあまり警告を与えずに、細かく素早いインプットで、カミソリの刃の上でバランスを取ることを要求する。


 
したがって、キャリーするスピードを徐々に上げ、パワーオンのタイミングをだんだん早めながら、限界域に向けてダンスをしていくことになるが、大きく踏み超えないように注意が必要だ。カントリーマンより厳格で正確なスタイルといえるけれど、レーシング・ミニならではの即座の反応と、操る者にまで乗り移るエネルギーは共通する。グッドウッドのラップタイムで見ると3、4秒の開きがあり、クラブマンは1分30秒台、カントリーマンは1分34秒台だ。
 
クラブマン・エステートは今年のメンバーズ・ミーティングでデビューを飾るはずだったが、COVID-19のために実現しなかった。しかし、この記事を書いている時点で間近に迫ったグッドウッド・スピードウィークで、延期されていたジェリー・マーシャル・トロフィーのグリッドにつく予定だ。カントリーマンもセント・メアリーズ・トロフィーに出走し、サルーンのミニやロータス・コーティナ、アルファGTAらと戦う。10月は雨になる確率も高いから、もっと重いパワフルなモデルがグリップに苦しむ中で、ミニ・エステートが活躍するかもしれない。
 
残念ながら無観客での開催なので、2台の素晴らしきワンオフが声援を浴びることはない。しかし、質の高いグッドウッドの生配信を見る何百万ものファンから大いに愛されるに違いない。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation:Megumi KINOSHITA Words:Richard Meaden

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