北へ、南へ、シトロエン2CVと30年│ 第19回 ビートルとの対決、再び! その1



乗り心地に関しては以前も指摘したように、ただただ愚直に衝撃を和らげるタイプのものであり、そこに2CVのような甘美さはない。一方で、2CVのような過大なロールやハーシュネスとは無縁であり、とても無難な足回りである。

一般道でも愚直なまでに扱いやすいビートルという印象は変わらない。低回転から十分なトルクを発生するビートルのエンジンは、回さないと有効なトルクが発揮できない2CVのエンジンに比べて、とてもフレキシブルだ。一方で2CVのフラットツインは回すと楽しいが、バタバタとうるさいビートルのフラット4は、正直、あまり回す気にならない。



やはり、筆者はビートルの良さがイマイチわからない。古い車らしからぬ、その扱いやすさには敬意を払うが、走らせて楽しい車ではないと思う。特にエンジンが、だ。全世界の空冷フラット4ファンを敵に回すのは恐ろしいことだが、だけど勇気を振り絞って言おう!ビートルのエンジンは音もフィーリングも……、やはり恐ろしいのでやめておこう。ただ、エンジンの楽しさという点では2CVの圧勝ではないだろうか。異論は認めます。

とはいえ、サイトーさんをわざわざ呼び出しておいて、早々にこんな結論を出すのは失礼極まりないので、とりあえず胸のうちに秘めておくことにした。



続いてサイトーさんのドライブでわが2CVを試乗コースへと連れ出す。うちの2CVは650ccにボアアップしていること、キャブレターを内田さんという今は亡き「神様」にいじってもらっていること、ダンパーをド・カルボンのガスショックに換えていること、タイヤがオリジナルの125Xより少し太くて近代的な135ZXを履いていることが、サイトーさんの2CVとの相違点である。

走り出すや低回転域からトルクが出ていること、足回りがしなやかなことをサイトーさんが指摘してくれてちょっと得意な気分になった。さらにサイトーさんは「このエンジンは2500~3000回転がいいね」「いかにも燃焼状態が良いような音がする」と続けた。筆者は(2CVなりに)パワフルでピックアップの良い4000〜5000回転くらいまでの間が好きなのであるが、サイトーさんは2500~3000回転の「音」が良いと断言して、その後はその回転域でシフトを繰り返す。 

サイトーさんがそこまで「音」にこだわりがあったとは知らなかった。

ならば、思い切って「音」に関する直球の質問をぶつけてみよう。

「ビートルのエンジン音っていいと思いますか?」



筆者の不躾な質問にサイトーさんはどう答えたのか、フィアット500やミニも所有するサイトーさんは2CVをどう思っているのか、そしてビートルと2CVのどちらを愛しているのか。

気になる結論は次回に!
 

文・写真:馬弓良輔 Words & Photography: Yoshisuke MAYUMI

文・写真:馬弓良輔 Words & Photography: Yoshisuke MAYUMI

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