「悲劇からの復活」爆発事故から2年が経ちオーナーが語るポルシェへの想い

Porsche AG



ボブ・イングラムは、彼が所有する数多くのポルシェに乗るときはいつも、1971年に知人のポルシェ911 Sに初めて乗ったときのことを思い出しているという。それは、彼の心に深く刻まれた体験だった。「エンジンがかかると、機械音のシンフォニーが始まりました」とイングラムは振り返る。しばらくすると、ボブはハンドルを握ることを許された。「最初は完全に緊張していて、エンストさせてしまった」と笑いながら振り返る。「でも、あの空間、あの匂い、あの音は他のものとは比べ物にならなかった」。その後、帰宅した彼は、ジーニーに 「いつかポルシェに乗るんだ」と心に決めた。

イングラムはイリノイ州の田舎町、チャールストンの出身で、彼がいうところの「質素な環境」で育った。イングラムが初めてお金を稼いだのは、校舎の隣にあるシングルマザーが経営する角の店だった。「免許を取ったときには、街で一番かっこいい車を買うために貯めていました」と、彼は笑顔で語る。彼はもともと "カーガイ "だった。インディアナポリスやセブリングのレースを見に行ったり、友人とドラッグレースをしたりするほどのエンスージアストだった。

学校を卒業すると、イングラムは世界最大級の製薬会社で営業担当者として働き始めた。そして時が経ち、CEOとなった。しかし、トップの生活には様々な影響が伴う。「その間、19回も引っ越しをしました」と彼は話す。「今でも妻と息子たちには感謝しています」。「大変な時代でしたが、家族で協力し合うことが何よりも大切なことでした」とジーニーは語っている。



イングラムは退職したものの、決して引退したわけではなく、現在も製薬業界の投資会社でパートナーを務めている。しかし、本業を辞めたことで、彼は情熱を注ぐ時間をより多く持てるようになったのだ。そう、ポルシェに。ダークブルーの964型911カレラカブリオレに、アメジストメタリックの993型カレラクーペが加わり、さらに1990年代後半には993ターボSクーペが加わり、コレクションはますます充実していった。「いつものように、家族全員で情熱を分かち合えることが一番の喜びです」。そしてそれは、かなり広い意味でもある。「家族として、世界中の素晴らしいファンの中に多くの友人を作ることができました」

オクタン日本版編集部

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