身震いするほどの凄まじさ!自然吸気V12を積む超絶マシン、パガーニ・ウアイラR

Pagani Automobili

ゾンダR、そしてゾンダ・レボリューションからおよそ10年。第二世代パガーニのウアイラをベースに、またしても凄まじいトラック専用エディションが誕生した。その名はウアイラR。

プレスリリースのコンテンツを読むだけで身震いしてしまう。自然吸気V12エンジンは850cv&750Nmを発揮、レッドゾーンは9000回転から、車両重量はたったの1050キロ、未来のパガーニ(C10)への技術的序章、安全性を第一に掲げる、世界限定30台でお値段2.6ミリオン€(※1)から(税別)・・・。開いた口が塞がらないとはこのことだろう。

とはいえこのマシン、正確にはウアイラをベースにした、と言ってはいけない。ウアイラと名乗っているし、デザインディテールでも共通項が見受けられるものの、内外装のデザインはもちろんのこと、パワートレーンやモノコックボディ、シャシーに至るまでほとんどすべてが新設計だと言っても過言ではないからだ。



順に見ていこう。まずはエクステリアから。最新のエアロダイナミクスをまとったトラック専用マシンにしてはとてもシンプルなデザインに見えると思う。これには創始者オラチオ・パガーニの、最近のレーシングカーはエアロダイナミクスを追求するあまり昔の“美しさ”を失っているという思いがあった。60年代の、例えばフェラーリP4やフォードGT40、そしてポルシェ917といったオラチオお気に入りのレーシングスポーツカーたちはとてつもなく速く、確かに危険だったけれども、とても美しかった。そんなエモーショナルなレーシングデザインを現代に表現できないか。



実はウアイラRのプロジェクトが始まってまもなく、パガーニのデザイナーたちは比較的早くに目標の空力性能に達する優れたデザイン案に辿り着いていた。けれどもそれはウィンドウトンネルで実力を発揮するタイプのデザインだったという。オラチオの目には美しく見えなかった。そこで、もう一度、エモーショナルなデザインを目指し、例えば自然界の空気や水の流れを参考にして突き詰め直したところ、不思議なことが起きたという。オーセンティックで美しいデザインにも現代のエアロダイナミクスを実現する最適解が次々と見つかったというのだ。そうして考え直されたスタイリングが、このウアイラRである。320km/h時に1トンものダウンフォースを得るという。


文:西川 淳 Words: Jun NISHIKAWA

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