8月にモントレーで開催されるRM Sotheby’sオークションに、歴史に名を残す1台が出品される。1959年から62年にかけて少数生産された「フェラーリ250GT SWB」である。
250シリーズは、フェラーリが1952年から1965年までに生産したロードカー及びレーシングカーである。「250」という数字は搭載されるエンジンのシリンダー1気筒あたりの排気量(250cc)に由来。シャシーやボディタイプの異なるバリエーションが数多く存在し、その中には「250GTO」といった伝説的レーシングカーや、「250GTカリフォルニア・スパイダー」、「250テスタロッサ」、「250 GTルッソ」など、後世のモデルにもその名が受け継がれたアイコン的名車も多い。(※250シリーズのバリエーションについては、オクタン本誌でもご紹介した。こちらのサマリーもあわせてご覧いただきたい。)
今回出品された「250GT SWB」も、間違いなくフェラーリの歴史に名を残す1台だ。その最大の特徴は、なんといっても、スカリエッティが手がけた優美なスタイル。
ホイールベース2400mmのSWB(ショート・ホイール・ベース)シャシーに架装されたボディは、歴代フェラーリの中で最も美しい1台と評されたこともある。
また、SWBは保守的で知られるエンツォ・フェラーリが4輪にディスクブレーキを装着した初めてのモデルでもあった。
RM Sotheby’sによれば、同モデルの生産台数は167台。当時のレーシング・モデルと比較するとそこまで希少とはいえないが、その優美なスタイルから人気が高く、現在は10億円を超える価格で取引されることも珍しくはない。
この車両はSWBの中でも90台生産された「ルッソ」。スティール製ボディを架装し、装備の豪華な仕様だ。
著名なフェラーリのコレクターに40年近く保有されたヒストリーを持ち、書類も揃っているという。フェラーリクラシケ認定車ということもあり、コンディションはお墨付き。詳細はオークション公式ページを御覧いただきたい。
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