優勝経験もあるワークスカー 小さなモンスター「MGメトロターボ」

Computervisionは画期的なCAD/CAMシステムを生み出した会社だが、MGメトロとの関連で覚えている人も多いだろう。まず思い浮かぶのはグループBモンスターのメトロ6R4だが、名声では劣るグループAのメトロターボも同じカラーリングだった。
 
写真はオースチン・ローバーのワークスカーで、1984年の英国とヨーロッパのツーリングカー選手権のためにロジャー・ダウソン・エンジニアリングが造り上げた。クラスA ではローバーSD1がリードを握り、クラスBではすぐにこの小さなメトロが強さを見せた。
 


ボンネットの下に潜むのは、ハウリー・レーシングが手掛けた230bhpのターボ搭載Aシリーズエンジンとジャックナイトのギアボックスだ。ハイドラガス式サスペンションは大幅にモディファイし、大型ブレーキにアップグレード、センターロックのアロイホイールにスリックタイヤを履く。
 
ダンカン・ハミルトンROFGOで販売されている写真のカーナンバー35は、ロビン・ブランドル(元F1ドライバーのマーティンの弟)のドライブで1984 年英国サルーンカー選手権(BSCC)に出走。クラス優勝2回、計4回トップ3でフィニッシュして、その効果を裏付けた。同年のETCCにも1戦だけ出走したが、リタイアに終わっている。


 
オースチン・ローバーはシーズンが終わる前にBSCCから撤退し、このメトロもそこで引退した。しばらくゲイドンのブリティッシュ・モーターミュージアムに収蔵されていたが、売却されてからロジャー・ダウソン・エンジニアリングでメカニカル面のリフレッシュを受けた。一目置かれる強さの元となったスペシャルパーツは、今もすべて残っている。
 
ヒストリック・ツーリングカーレースに出走しているもっとエキゾティックなグループAやグループ4のマシンとは、たしかに異なる。だが、優勝経験もあるワークスカーとしてのヒストリーや控えめな維持費など、魅力では少しも負けていない。約1470万円で販売中。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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