モータースポーツを通じて臓器移植への関心を高めたい!心臓移植を受けた二人がラリーに参戦

David SCHMALTZ/Fabrice DUNON

この時期4月にフランスでおこなわれるイベントといえばツアー・オートだ。ツール・ド・フランス・オートモービルを再現する旧車のイベントである。このCOVID-19の影響で昨年も9月に変更され、今年も同様に8月30日から9月4日にスケジュールをずらして開催される予定だ。

2021年のツアー・オートは8月30日にパリをスタートして9月4日にニースでゴールの予定。無事開催できると良いのだが。

そのツアー・オートに参加するチームから連絡が入った。ドライバーとナビは心臓移植を受けたふたり。このラリーに参加することで臓器移植に対する意識を高めてもらおうというのだ。

“臓器移植チーム”のパートナーとドライバーのダヴィッド、ナビのファブリ。

使用される車両はRenault 5ターボ・セヴェンヌ。アルピーヌにかわってルノースポールがグループ4としてルノー5をベースとして開発したワークスマシン。最初の20台のうちの19番目に作られたマシンが参加車両となる。実戦を退いたこのマシンはルノースポールの名メカニック、ジャン・ラティエに送られ整備された。全重量920kg、最大で240馬力を発生する。

臓器移植のシンボルグリーンリボンをあしらったカラーリング。

このプロジェクトに賛同し今回のラリーを支えるのはルノーのブランド・アンバサダーで5ターボ使いのジャン・ラニョッティである。1980年11月にセヴェンヌ行われたフランス国内選手権で2位を獲得したことを皮切りに1981年のモンテカルロラリーでWRCで5ターボに優勝をもたらした人物。その彼が今回、“臓器移植チーム”そして移植を受けた二人をサポートする。

“私は臓器移植に賛同します”と書かれたヘルメット。

ドライバーのダヴィットは2017年の5月に心臓移植を受けた。普段はセールスマネージャーとして働いている46歳。ナビを担当するのがファブリス。2011年の8月に心臓移植を受けた37歳。この二人のペアがラリーを走り抜くのだ。

グリーンリボンは世界で通じる移植医療のマークだ。臓器を提供するドナーと移植を必要とする患者のレシピエントを繋ぐという意味。

モータースポーツを通じて人々にもっと臓器移植に関心を持ってほしいという試み。臓器移植で救われる多くの命。これを支援する団体<Les collectionneurs ont du coeur>への寄付や多くの人に臓器移植の意思表示を促す。フランスではこちらで寄付などができるが、フランスでなくともこの機会に日本の臓器移植に関心を持てたらそれも彼らのひとつの目標になるのではないかと信じている。

日本臓器移植ネットワーク:https://www.jotnw.or.jp

Renault 5 turbo セヴェンヌは当時20台作られたワークスの19番目の車両。


文:櫻井朋成 Words: Tomonari SAKURAI

文:櫻井朋成 Words: Tomonari SAKURAI

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