唯一無二!たった一台しか作られなかった「未完の大器」

Bonhams

アメリア・アイランド・コンクールの延期に伴い、オークションも5月に移った。ボナムスのオークションに早めに登場する予定なのが、この好奇心をかき立てるワンオフ、1935年ゴッサル・スポーツツアラーだ。2020年のアメリア・アイランドでベスト・イン・クラスに輝いた1台である。



エンジニアのチャールズ・ゴッサルが生み出したプロトタイプで、フォードV8エンジンを搭載し、コルシカ・コーチワークスの華麗なボディを架装する。前途は明るいかに見えたが、資金不足のため、ゴッサルのプロジェクトが本格始動することはなかった。今日では「未完の大器」の好例として自動車史を彩る存在だ。



長年、ゴッサルのプロトタイプは行方不明だったが、1969年の映画『モスキート爆撃隊』に、このたった1台のシャシーナンバー001が登場した。そのときには赤のボディに白のストライプという姿で、この車両の重要性はほとんど気づかれなかった。やがて再び発見されると、かつてゴッサルのために製作を請け負ったリサーチ・エンジニアリング社からオリジナルの写真を取り寄せてレストアされた。この興味深いストーリーは、『Thoroughbred & Classic Cars』誌の1977年3月号に掲載されている。



その後は、パラダイスガレージを通して購入したカリフォルニアのオーナーが2016年まで所有していた。2017年にボナムスに出品された際は20万3500ドルで落札されている。このときボディは赤で、レストアが必要な状態だった。その後のレストアは、ウェイン・カリーニのテレビ番組「Chasing Classic Cars」(日本の番組名は「クラシックカー・コレクション」)で紹介されている。数十年ぶりに美しく生まれ変わったゴッサルのツアラーには、75万~95万ドルの推定落札価格が付けられた。



Bonhams
The Amelia Island Auction

編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵
Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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