「外出禁止令でやることないから」こそ、じっくり向き合い蘇ったチンクエチェント

LACHIPIE2.0

以前も紹介したブブさんのガレージ。ブルノさんをみんなブブさんと呼ぶ。ブブさんは2CVを分解する世界記録を持つ。またブブさんのガレージのある街に多く生息するカササギ(フランス語でピー)を2CVのうえに載せたマスコットはミニカーにもなっている。このガレージはお父さんの代にシトロエンのディーラーとしてオープンして、看板は今もシトロエンのディーラーだがフランス車全般、そして古い車のレストアとしても名の知れたガレージだ。

ミニカーにもなった”ピー”が乗った2CVが目印。

パリ横断のヴァンセンヌ旧車クラブの役員でもあるブブさんのもとを久しぶりに訪れた。「コロナは大丈夫?」と聞くと「外出禁止令でやることないから1台をレストアしたよ」とフィアット500を指さした。ガレージの一番目立つところに置かれたピカピカのフィアット500がそれだ。

フロントスクリーンには2001年のヴァンセンヌ旧車クラブのステッカーがある。ブブさんの奥さんのチンクエチェントだがもう乗らなくなってガレージの隅に置かれて14〜15年が経ったという。何台も置かれたガレージの中で時々目に映るたびに朽ち果てていく。気がつくとそれはちょっとやそっとで綺麗になるというモノではなくなっていて、レストアするには手間がかかりすぎると放置を続けてしまった。

ところがこのコロナ禍によるフランス政府からの外出禁止令の影響ですっかり本業はスローになり、時間もできたところで、ブブさんは本腰を入れてこのチンクエチェントのレストアに乗り出したというわけだ。

もちろんフルレストア。全バラにしてまずはあちこち朽ち果てたボディの修復と全塗装。シートなどもばらして再塗装、中綿なども入れ直した。取り外したエンジンは埃まみれでまずはそれを洗浄するところから始まった。エンジンはオリジナルの500ではなくFIAT 126の650ccのエンジンに載せ替えてある。ミッションもそれに合わせて650cc用。「500のミッションだと、ギアチェンジが忙しくなっちゃうからね」だそうだ。

ドアはもう腐っていた。

板金作業の準備。

塗装前の車体株の処理。

取り外したエンジンはホコリまみれ。

配線チェック。

エンジン組み込み準備。

シートもばらして骨組みは再塗装。

写真・文:櫻井朋成 Photography and words: Tomonari SAKURAI

RECOMMENDEDおすすめの記事