自分だけのブガッティ シロンを創る|車好きの究極の悦楽ワールドを探訪

Bugatti

スーパーカーの世界に限らず、オンライン・コンフィグレーターを使ってのオーダーが当たり前の時代になってきた。ちょっと気になるモデルがあれば、オフィシャルサイトを開いて、自分好みにコンフィグレートする。カラーやオプションのリストを眺めつつ、リアルもしくは夢の予算枠を設定して、自分好み、というか「これぞ自分にしかできないカッコよさ」を表現する喜びは車好きにしか分からないだろう。今や車好きの密かな楽しみのひとつではないだろうか。

現実の世界でも納期の長さを厭わず、できるだけ好みの仕様を選ぶという傾向は年々強まっている。それが証拠にスペシャルオーダーも驚くほど増えているのだ。ランボルギーニアヴェンタドールのようにカスタマーのほとんどが何かしら「アドペルソナム」(特別注文)プログラムを活用するというモデル、ブランドさえある。





巷を走るフェラーリを見ていてもそのことは実感できるはず。90年代はフェラーリといえば赤、頑張ってせいぜい黄色だった。2000年代になって白や青、黒、ガンメタなどが流行りだし、今や実に様々な色の跳ね馬を見かけるようになった。もちろん今でもフェラーリ=赤が多いけれど、そもそも赤(ロッソ)にしたところで今では何種類もの色味が用意されている。





背景にはリセールバリュー(というか再販しやすさ)に縛られたカラー選びからの脱却があるだろう。例えばブラウンに塗られたクラシックフェラーリが“貴重である”のひとことで同程度の赤い個体よりも高く評価されるようになり、そのことがネットを通じて皆の知るところとなった。もちろん赤いフェラーリに飽きた人も販売台数が増えるに従って増えたのだろうし、何よりせっかく買ったにもかかわらずイベントに行けば周りが全く同じ車ばかり、というのではつまらないとみんなが気づき始めた。人とは違う車に乗りたいと思って買ったにもかかわらず!

かくして日本でもようやく自由な内外装色選びが好まれるようになってきた。同時にインターネットを使ったコンフィグレーションも盛んになったのだ。これまでならショールームの色見本でしか見ることのできなかった組み合わせも、画面上でイメージできるようになった。これは大きかったと思う。

問題は、画面上のイメージだけではなかなか怖くてオーダーにまで踏み出せないことだろう。ディーラーの営業マンも「いいですねぇ」くらいは言ってくれるだろうけれど、実車が来てから文句をつけられたくはないし、何よりリセールしづらい仕様に決めて欲しくないという心理も働く。勢い、筆者のような立場の人間が仕様決めの場に駆り出されて意見をいうことも増えるわけだが…

先日、興味深いオファーがあった。モルスハイム、つまりはブガッティ本社からの提案で、顧客だけが経験できるブガッティのコンフィグレーションプログラムを体験してみないか、というものだった。

文:西川 淳 Words: Jun NISHIKAWA

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