走行わずか3304マイルのフェラーリF40|ファンの心を掴み続ける永遠のスーパーカー

Drew Shipley (C) 2021 Courtesy of RM Sothebys

フェラーリでもっとも魅力的で印象的なデザインと評されるスーパーカーのひとつ、F40。これはエンツォ・フェラーリのもとで開発された最後のフェラーリである。



2021年5月のオークションに出品されるシャシーナンバー93103は、1992年モデルとして米国市場向けに生産された、わずか60台のうちの1台だ。1987年に発表されて以来、F40に与えられたすべてのアップデートの恩恵を受けている。93103は1992年2月に組み立てられ、1992年4月にフェラーリ・オブ・ヒューストンに新車で納車された。

1993年4月8日、93103はユタ州パークシティのコレクター、ハーブ・コルトフに売却された。 彼は、この期間中に別のF40(92501)を所有していたとも記録されている。車の保証書は「ショーン・ハリス」によって記入されている。おそらく、ソルトレイクシティのフェラーリ認定ディーラーであり、コルトフの92501を調達したスティーブ・ハリスの息子であろうと推察される。次いで、この車は2000年にフロリダ州フォートローダーデールのシェルトン・フェラーリで販売され、その時点での走行は398マイルだったと記録されている。





フロリダ州ケープコーラルのデレック・ウッズが93103を購入し、その後2004年1月に第13回カヴァリーノ・クラシックでこの車を展示した。93013が再び登場するのは、フロリダ州ウェストパームビーチのクリストファー・ヴェシリオのもと、2010年のことである。ヴェシリオは2008年にシェルトン・フェラーリからこの車を購入し、この時点では約2800マイルの走行距離が表示されていたと考えられている。 ヴェシリオは2010年1月の第19回カヴァリーノ・クラシックで93103を展示し、97ポイント以上を獲得、スーパーカークラスでプラチナ賞を受賞した。

保管されている請求書からは、これまでのオーナーそれぞれがこのF40に行った細やかなケアを見ることができる。93103は、ニューヨーク州プレインビューのロングアイランドのフェラーリで主だったサービスとベルトサービスを受けてからは、40マイル未満しか走行していない。 2020年11月には、新しいスターター、オルタネーター、ホーン、および4つの新しいタイヤも装備された。委託された人物は、F40のタイヤはビスポークであると述べている。フロントとリアで異なる日付スタンプが押されているのは、ピレリが必要に応じてのみスタンプを作成するためであるが、どちらのペアも同じように「as new(新品同様)」だ。93103はまた、アライメント、パスタイムトラッキングシステムを施され、ステアリングボックスとヒューズパネルをリビルドされている。それより前の請求書には、ロングアイランドとフォートローダーデールのフェラーリが93103に対して定期的なサービスと細心のケアを施したことを示している。





今回のオークション出品にあたってのカタログ作成時には走行距離は3304マイルとなっている。このモデル後期のF40には、米国向けのマニュアル、ツール、2本のキー、2010年頃のフェラーリクラシケ・レッドブック、および1990年代半ばまでさかのぼるサービス請求書が付属する。







F50、エンツォ、ラ フェラーリと続く記念モデルの第一弾として、F40はフェラーリ愛好家の心をギュッと掴んで離すことがない。F40は、フェラーリのコレクションにおいて常に最高のポジションをキープし、マラネロの純粋主義者やハイパーカー愛好家からリスペクトされ続けている。もはやフェラーリで最も有名なスーパーカーに昇華しているといっても過言ではないだろう。



RMサザビーズのオークションは、2021年5月22日、フロリダ州アメリア・アイランドで開催される。落札予想価格は180万~220万USドルとなっている。



RM サザビーズ、アメリカ、
アメリア・アイランド、2021年5月22日
https://rmsothebys.com/

オクタン日本版編集部

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