究極 × 究極から生まれた最高峰のハイパーウォッチ

Richard Mille

マクラーレンのアルティメットシリーズにおける最新モデル「スピードテール」は、世界中のカーエンスージアストが、羨望の眼差しで見つけるハイパーカー。4.0リッターV8ツインターボに電気モーターを組み合わせたハイブリットマシンで、最大出力は1070ps。最高速は403㎞/hというスペックだけ聞いても、心を揺さぶられてしまうだろう。2018年7月にイラスト画の状態で製作発表を行ったのだが、その時点で生産予定であった106台は完売したというが、それも不思議ではない。それだけの価値があるのだ。



首尾よく顧客リストに名前が載ったオーナーたちは、いまごろデリバリーを心待ちにしているに違いないが、またもや心をざわつかせるものが登場した。それがリシャール・ミル「RM40-01オートマティック トゥール ビヨン マクラーレン スピードテール」だ。リシャール・ミルの創立者であり、ブランドオーナーでもあるリシャール・ミル氏は、エンジニアリングの粋を集めた超高級時計で、世界中の時計愛好家を魅了してきた。そんな彼が、時計と同じくらいに情熱を注ぐのがレーシングカー。フランスにある広大なシャトーの横にあるガレージには、様々な年代の名車をコレクションし、時にはエンジンをかけて周囲をドライブしているほどだ。ブルース・マクラーレンを敬愛し、彼がドライブしたマシンも所有しているとなれば、彼が2016年からマクラーレンF1チームのスポンサードを行うのは当然のことであり、今はマクラーレン・オートモ-ティブとの幅広いパートナーシップを結んでいる。



リシャール・ミル×マクラーレンのコラボレーションモデルは、2017年に発表した「RM 50-03 トゥールビヨン スプリットセコンド クロノグラフ ウルトラライト マクラーレン F1」から始まった。このモデルはF1マシンにも使用されるグラフェンという素材をケースに取り入れて超軽量&耐衝撃を追求した究極のスポーツウォッチだった。しかし今回発表された「RM 40-01 オートマティック ト ゥールビヨン マクラーレン スピードテール」は、そこにスピードテールにも似たエレガントさも加えている。



最大の特徴はティアドロップ型のボティを思わせる優美なケースフォルム。6時位置に行くほどぎゅっと絞り込まれており、この複雑な形状のためにケースだけでも69個のパーツで構成されているという。そしてダイヤルのスリットからはトゥールビヨンのメカニズムが見えるが、パワーリザーブ表示やオーバーサイズデイト、ファンクションセレクターといった機構を組み合わせるのは初めてこと。搭載するキャリバーCRMT4の開発には8600時間を費やしたという。



モータースポーツやスーパーカーとのコラボレーションモデルは珍しいことではないが、これほどまでに世界観とディテールを共有した時計は難しい。それはリシャール・ミルが車文化を愛し、エンジニアリングに敬意を払うと同時に、どこまでも妥協なき時計づくりを行うことができる環境があるからだろう。
究極と究極が融合した、まさにアルティメットな時計は、マクラーレンのスピードテールと同じく106本の限定生産となる。価格は1億円オーバーと極めて高額だが、175万ポンド(税別)~という車と合わせて楽しみた いというオーナーは少なくないだろう。



少年時代の夢を具現化したかのような時計と車と共に過ごす時間は、何にも代えがたい喜びとなるに違いない。人生にはこういう"夢"も必要なのだ。

オクタン日本版編集部

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