大野町の豊かな自然に育まれて|2021大里研究所のサステナブルな取り組み

写真:大里研究所

高齢者の生きがいを創造する Project ORI Wine 

大里研究所のある岐阜県揖斐郡大野町は富有柿の産地として有名だが、農業従事者の高齢化のため、年々休耕地と化す柿畑が増えている。Project ORI Wineと呼ばれる農業プロジェクトは、そうした休耕地の有効利用を町役場の担当者から相談を受けた大里研究所がヨーロッパ風の垣根仕立てによるブドウ栽培を提案したことに始まり、今では広大なブドウ園が山際の扇状地に柿畑と共存しながら美しく広がっている。認知症を防ぐことこそが高齢化社会の医療費削減に不可欠だと考える大里研究所は、地元のシニア世代のために社会との接点となる生きがいの場を作ることを目的に、このブドウ園での活動に取り組んでいる。そしてこの4月、1,200坪に新たにピノ・ノワールとシャルドネの苗を植え付けた。

マグナス氏と林ファミリー。

眼下には濃尾平野が広がり、遠くには名古屋駅まで見晴らすことができる。将来的には、ここで作業する人たちがリフレッシュしたり地域の人たちが訪れることのできる憩いの場となるようにクラブハウスを建設し、ワインのみならずここで育てたグレープフルーツやレモン、栗などを使った飲み物やデザートを作って提供するという夢も広がる。

農作業には、社用車である4台のランドローバー・ディフェンダーが使用されている。ジャガー・ランドローバー・ジャパンCEOのマグナス・ハンソン氏も6月に大里研究所を訪問し、林理事長とともにブドウ園の活動を視察した。

地元の子供たちと一緒に環境について考える

大里研究所の活動のもう一つの柱に子供たちへの教育がある。5月下旬、大野町立北小学校6年生の野外授業がこのブドウ園で行われた。作業前には生徒から多くの質問があった。たとえば、なぜブドウ品種としてピノ・ノワールとシャルドネを選んだのか、なぜ地域名産の富有柿を栽培しないのかなど。これには林理事長より、休耕地を放置せず有効利用することで大野町特産の富有柿の柿畑を維持し共存していくことが可能になるためブドウの栽培を始めた。また、高温多湿の大野町では栽培が非常に困難とされるこの2品種の化学的な肥料農薬を使わないBio栽培にあえて挑戦することで、このプロジェクトに携わるシニアの方々が、新たな夢を持って農業に取り組むことで病気の予防ができれば医療費の削減に繋がり、このプロジェクトの本当の意味での利益となることが説明された。

大野町立北小学校6年生の子供たちとともに行ったブドウ園での野外授業の様子。教育は最良の予防薬と考える大里研究所では、この子供たちが4年生の時にはホタルを通して環境を学ぶ授業を、5年生の時には南極地域観測隊で活躍した隊員を招いて課外授業を行うなど、地元との交流に積極的に関わっている。

大里研究所では、人間が健康な生活を送るための「予防医学」の観点からも、身の回りの環境に目を向けることが重要だと考え、いくつかの環境プロジェクトも継続的に行っている。そのひとつが、行政や「大野町ホタルの里づくり研究会」とも連携したホタルの里づくりプロジェクトである。大里研究所の西側を流れる川では、大里研究所のスタッフがホタルの生育状況を確認しながら適したタイミングで草刈りや川掃除を行うことで、毎年100匹以上のホタルが飛翔する環境を守り、昔見られた日本の初夏の里山風景である「ホタルの里」づくりを目指している。ブドウ園を訪れた子供たちが4年生の時には、ホタルを通して環境について学ぶ授業を年8回行っているた。子供たちは、一生のほとんどを水中で過ごすホタルは成長に応じて生育の場を変えていくため、単に川の水をキレイにするだけではなく適した水辺環境が必要なことを学んできた。Bio栽培により、たんぽぽの花が一面に咲き、ミツバチが飛びまわり、アゲハ蝶の幼虫が生息するこのブドウ園のような環境が、人にとっても大切なのだということも、子供たちはすぐに理解していた。

環境の変化による新しいリスク
電磁波過敏症へのFPPの有効性が認められアメリカで特許取得

大里研究所が開発したFPP(パパイヤ発酵食品:ブランド名Immun’Âge)は、感染症予防という観点からの注目も集めているが、2021年5月4日、FPPを用いた電磁波過敏症の治療法が、米国特許商標庁に特許登録(特許番号 US10,993,980 B2)された。この特許は、フランス・パリ大学のドミニク・ベルポン教授(Prof. Dominique Belpomme)の臨床研究によるもので、環境病のひとつとされる電磁波過敏症に対するFPP摂取後の有効性が評価されたもの。「電磁波過敏症」はまだWHOが病名として認知していないため、現状では自己申告による症状となっているが、携帯電話で長く話をしていると偏頭痛がするなど、数多くの症状が報告され、毎年患者数は増えている。
ベルポン教授の電磁波過敏症の論文

電磁波過敏症研究の第一人者であるドミニク・ベルポン教授(左)。2019年9月、パリ・セーヌ川で開催されたFPP学術発表会"New Clinical Evidences of ベルポン教授の電磁波過敏症の論文 Immun ’Âge " にて。

また、コロナ禍のライフスタイルの変化により、電磁波の影響は間違いなく増えている。テレワークによる在宅勤務やオンライン授業などに加え、外出自粛の長期化に伴い動画鑑賞やオンラインゲームの利用など、コンピューター、スマートフォン、TVゲームなどの家電に触れる時間が以前より伸びているためだ。大里研究所では、近い将来病気として認知されるであろうこの症状について、予防対処方法を準備すべきだと考え、今回の米国での特許取得となった。さらに言えばこの研究は、大里研究所が目指している認知症の予防にも大きく関わっている可能性があるという。予防医学の考えがまたひとつ進んだ。



家業として宝飾品ビジネスを担いながら、1963年にはフェラーリ250GTOでタルガ・フローリオでのクラス優勝を果たすなどGTドライバーとしての実力も素晴らしいジャンニ・ブルガリ氏も、感染症予防のため にFPP(Immun ’Âge )を愛用。大里研究所理事長の林氏とは家族ぐるみで親交を深めている。


文:オクタン日本版編集部 写真:大里研究所 Words: Octane Japan Photography: Osato Research Institute

文:オクタン日本版編集部 写真:大里研究所 Words: Octane Japan Photography: Osato Research Institute

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