シューマッハが駆った550マラネロが公園に!?フランスのオークション事情

ミハエル・シューマッハがドライブした経歴を持つフェラーリ550マラネロ。(Tomonari SAKURAI)

7月といえばフランスはすでに夏休みだ。街の商店でもシャッターを閉め「9月4日まで夏休みで休業」という張り紙を見かける。1~2カ月休みを取るのはこちらでは普通であり当然のこと。モンレリサーキットに撮影に向かう朝、普段なら土曜の朝というのもあって渋滞などもなく、スムーズだ。自宅からサーキットまで50kmほどの道のりだが信号機は2カ所のみ。ところが、先週末、つまり7月最初の週末は違った。途中国道118号への分岐当たりから混み始め、もうまったく動かない。車に自転車やスーツケースを積んだバカンスへ向かう連中で大渋滞なのだ。ということで、バカンスシーズン到来を肌で感じた週末。モンレリでもイベントについてはまた次回。今回は先にその日曜に行われたオークションの下見会から。

エリザベート邸をバックに展示されている3台。

ヴェルサイユ宮殿にほど近い、ルイ16世の妹エリザベート・フィリッピーヌ・ド・フランスのために建てられた邸宅(現在は公園として一般開放されている)で行われた。Osenatが主催するオークションで以前にoctane.jpの記事でも一度お伝えしている。購入希望者はオークションが始まる前に、この公園に展示されたお目当ての車両を確認する。それと同時に公園を訪れた人たちはめずらしい車もあるのでスマホで写真を撮ったり、子供達も大はしゃぎだ。

今回のオークションで一番古いモデルは1920年のSALMSON AL3。ルノーと同様にブローニュ・ビヤンクールを拠点としていたブランドだ。ル・マン24時間レースやボルドールではクラス優勝を果たしている。1086ccインラインフォーエンジンですぐにクラシックイベントに参加できるコンディションということだ。

1920年SALMSON AL3。1.1Lクラスで優勝を何度もしていた名門である。

今回のカタログの表紙にもなり、最も高値を付けたのがアルファロメオ ジュリア スプリントGTAだ。予想落札価格より少し上回って16万9200ユーロ(約2200万円)で落札された。1994年にフルレストアされている。デュアル・イグニションとウェバーで武装してツアーオートでは何度も受賞歴のある車体だそうだ。

幾多の戦歴を持つアルファロメオ・ジュリエッタ・スプリントGTA。

シトロエンDS21のカブリオレはIVANHOFFによるもの。DSのカブリオレと言えばシャプロンのものだが、このIVANHOFF細部まで手が入り美しい仕上がりを見せている。勿論フルレストア済み。

シトロエンDS21のカブリオレ。イヴァンホフの手によるもの。



一番子供達に人気だったのがフェラーリ550マラネロGTE LMGT XLレーシング。1997年のモデル。ミハエル・シューマッハがテストドライブをしたモデルだそうだ。多くのヒストリックカーレースなどに参加し、常に整備されてすぐにでもレースに参加できる状態だが、残念ながら今回は落札なし。

時折雨が降っては青空に戻るというような不安定な中ではあったが、それでもマスク着用の義務がなくなりバカンスシーズンに突入して緑も一段と青く見える、そんな中でのオークションだった。こういったオークションもバカンスに入るので9月以降まではおあずけだ。

こちらも出品されているアストンマーティンDBSとジャガーEタイプシリーズ1。


写真・文:櫻井朋成 Photography and words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成 Photography and words: Tomonari SAKURAI

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