ルートにも時間にも縛られない自由なラリー?|トロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリ現地レポートDAY2

Octane Japan

昨日に続き、北海道で開催中のクラシックカーラリー、トロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリの2日目のレポートをお届けしよう。

例年と異なり、今年のトロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリにはPC競技などの設定がない。日本国内のクラシックカーラリー常勝ペアも多く参加しているため、競技要素がないのは物足りないのではないかと少々心配したが、まったくの杞憂であった。ベストシーズンの北海道のドライブを自分のペースで楽しめるのは、ラリー常勝組にとっても新鮮な楽しみ方だったようだ。朝のスタートも一般的なクラシックカーラリーよりも遅めの時間帯に設定されていて、出発前の車両点検時に漂う空気も穏やかだ。





また、参加者の言葉で印象的だったのが「このラリーはコ・ドライバーにやさしいラリーですね」という感想だ。「『道なりにずーっと行って、どんつき(突き当り)を右!』っていうナビでも十分なんですよね」と。たしかにそうだ。事実、オクタン編集部号のコ・ドライバーも終始そんな具合で、「次を右に曲がったら、あと10kmぐらい先の十字路を左です」と言ったあと、10分間ぐらいの間はコマ地図も見ずナビもせず、景色を楽しみながら会話をするというシチェーションが何度もあった。断っておくが真剣さが足りないわけではない。北海道ならではの信号の少なさや、ひたすら続く一本道がそうさせるのである。こんなゆるやかなラリーも悪くない。





ラリー2日目。登別地獄谷駐車場を出発し、向かった先は地球岬展望台だ。







絶景を目に焼き付けたあとは、洞爺湖方面へと走り、湖畔のレストランでの昼食タイム。駐車場に並ぶクラシックカーはやはり周囲の人々の興味をひく。観光客の注目もさることながら、立ち寄ったガソリンスタンドやショップのスタッフからも「今日は何かクラシックカーのイベントがあるんですか?」と何度も質問を受けた。地元の人々が関心を持ち、嬉しそうに受け入れてくれることはラリー参加者にとっても幸せな瞬間に違いない。



午後は、ゴール地点のヒルトンニセコビレッジまでの約75kmの間はフリータイムで「寄り道OK」とルートブックに明記されている。推奨ルートの記載はあるものの、ルート変更も可能という暗黙の了解のもと、17時までにホテルに到着すればよいというルールだ。ここで各ペアの個性が出るのが面白い。とにかく早くホテルへ到着したいチーム、道の駅に立ち寄り休憩しながら進むチーム、ソフトクリームを食べたり、ザ・ウィンザーホテル洞爺に寄ってみたり(これは我々オクタン号)、なかには途中で温泉に入ってきたという猛者もいた。

ルートにも時間にも縛られない今回のツーリング途中で、ドライバーであるオクタン日本版編集長の堀江にクラシックカーラリーの醍醐味を聞いてみた。人によって回答はそれぞれ違うだろうが、堀江の場合はやはり車を走らせることそのものが楽しく、それを取り巻く風景やコンディションが都度異なるため、同じ走りが二度とないところも魅力だという。



そんな編集長に、このトロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリでドライブしている車両の印象を尋ねてみた。以下、1957年アルファロメオ ジュリエッタのインプレッションである。イベントレポートなのに、試乗記?と仰るなかれ。自由でのんびりとした今回のラリーだからこそ、純粋に「走ること」も楽しめるのだ!ということをお伝えできればと思う。

オクタン日本版編集部

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