バラエティ豊か!フェラーリ250GTOも2CVもフィガロもトラクターも参加する「パリ横断」とは?

Photography: Tomonari SAKURAI

この日曜日にはパリ横断”Traversée de Paris”が行われた。“夏の会”は今回で14回目となる。パリの東方ヴァンセンヌ城をスタートしてパリの名所、モンマルトルの丘、オペラ、ノートルダム、エッフェル塔や凱旋門を通過して西に抜けてムードンの太陽観測所となったムードン城跡の公園に向かう。この公園で集まったみんなでピクニックをして解散というイベントだ。“冬の会”は寒いのでヴァンセンヌ城をスタートしてパリをぐるっと回って再びヴァンセンヌに戻るルートとなっているため、夏とはコースが異なっている。

ヴァンセンヌ城で受付を済ませスタートの準備。ベルギーからのオペルカデットBとスクーターはマニューランSM75。

octane.jpにも何度か登場しているブブさんの“ピー”(カササギ)の載った2CVもちゃんとパリを横断した。

3台で到着のバイク。ヘルメットに気を取られてしまったが、奥のバイクはロータリーエンジンのヘラクレスW2000!!

スタートした2CV。助手席の奥様が乗り出して、カメラに応えてくれました。マスクの下はきっと満面の笑顔。

フランスでは10日ほど前に発表されたワクチンパスの実質義務づけに反対するデモが先週の土曜、そして前日のこの土曜に行われ一時は警官隊も退散するほどの暴動に近い状況だった。やや心配していたが日曜日は静かなもの。7月に入ってすでにバカンスで多くの人たちがパリを出て行ってしまっているので道もそれほど混んでいない。

シトロエンヘリテイジから参加のトラクシオン。

モンマルトルの丘に到着すると本物の警察官がジープを停めた。一瞬、辺りが静まりかえって様子を見ていると、このジープにこの警察官が乗り込んでホイッスルで「パリ解放だ!道をあけろ!」と誘導。拍手喝采と笑いに包まれた。昨日の暴動がウソのように…


車の参加車は例年を上回り700台以上、バイクで250台以上、自転車にトラクターそしてバスが参加している。パリ周辺に住む車好きにはすっかり定着したイベントだ。参加車を見るとフランス国内は当然だがそれに続きイギリス、スイス、ベルギーなどからの参加車両が多かった。

モンマルトルを登り切ったBSAとルネ・ジレ。

モペット達も続々到着。本当はうちのプジョー102で参加したいけど今ひとつ調子が出ない。ちゃんと整備してやらねばと思った瞬間。

おじいちゃんの2CVに乗ってというところかな?

来ました。陽気なフィガロ。イギリスから参加です。

Moss Monaco。スタート地点でエンジンがかからず苦戦していたが無事走り出したようだ。


出発は朝8時。まだ肌寒いが天候はまずまず。雨は降っていない。ところが走り出すと時折土砂降りが。オープンカーやバイク達は慌ててその対策のため路肩でストップした。そして走り出すと夏の日差しが降り注ぐ。その繰り返しだ。その周期がだんだん短くなり、みんながムードンに到着してランチを広げる頃には真っ黒な雲に囲まれていよいよ本降りとなった。それでもせっかくのイベントを存分に楽しもうとする姿はたくましい。

オペラ座の前を走る。

バブルカーReel。多くの人が2度見した注目度ナンバーワンの車かもしれない!

往年のバスも参加した。

ミリタリービークル愛好家も集まる。奥の建物がムードン城を改装して太陽観測所にした建物。

フルレストアされたトラクター。

常連のフェラーリ250GTO。


この8月からパリ市内の全域で車の制限速度が30km/hになる。これは電動だろうが化石燃料車だろうがお構いなしだ。公害と事故を減らすための対策だそうだ。ますますパリ市内では車の肩身が狭くなる。次回冬の開催にどれだけ影響を及ぼすだろうか?これだけ旧車好きの多いパリで車が消えていく運命なのだろうか?土砂降りで幕を下ろしたパリ横断夏の会はそんな不安を暗示するようでもあった。

ここに載せきれなかった写真は画像ギャラリー(写真27点)に掲載している。時折、土砂降りに見舞われながらも楽しそうに走る参加者たちの様子は、見ていて晴れやかな気持ちになる。是非ご覧いただきたい。

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

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