1965年トライアンフのホースの話?それとも「ロンドンで最高の屋内ガレージ」の話?どちらの話をするべきか…

”ロンドンで一番の屋内ガレージ”の前に停められたジェームスのトライアンフ(James Elliott)

Octane UK副編集長のマーク・ディクソンが「このトライアンフのレポートをしてくれないか?」と頼んできた時、さては私がSNSに載せていたヒーターホース交換の勇姿(!)を見たのだな、と思った。しかし彼が「できればジュールスの家を背景に写真を撮ってほしい」とも言ったことで、それが間違いだと分かった。どちらかと言うと、トライアンフは写っていなくてもいい、といった印象だった。いや、でも悪い意味には取ってないよ(笑)

実際のところ、彼は的を射ていた。ジュールスとは、ジュリアン・バルメのことだ。かつては扇動的なパンク音楽のレコードジャケットのデザイナーであり、今では高級自動車冊子出版のPalawan社の編集者だ。そして、クラシックカー(特にYank Tank:古き良き時代のアメリカ車)の熱烈な愛好者であり、ロンドンで私の知る限り最高の屋内ガレージの持ち主でもある。

そう、ガッサーのドラッグレースカーや、60年代のフォード・ギャラクシー、それにリンカーン・ゼファーをこのガレージに入れた瞬間に、そこは「普通」の車を置けるような雰囲気ではまったくなくなる。さらに、ロンドン南部のストリーサム区にある、4ベッドルームのすこぶるスタイリッシュな彼の邸宅の奥には、ゲート付きの広大な駐車場もあるのだ。

ジュールス・バルメと69年のシボレー・ガッサー。

もしかするとセールストークのように聞こえるかもしれない。でもたしかにその通りだと思う。なぜなら、彼こそが、20年以上前にロンドンから逃げ出そうとしていた私を引き止めたのだから。偽善者(笑)のジュールス・バルメは今や、自由を謳歌している。もちろん、これらの車たちは、サウス・ハムズ区の単線道路にばっちり似合う。彼の邸宅は、Knight Frankのウェブサイト(knightfrank.co.uk)に載っている。ストリーサム区のヒルサイド・ロード沿いだ。

ロンドンでは人口流出が続いており、オールドカーファンにとっても寂しい場所になりつつある。しかし、やはり仲間で集うのはとにかく楽しい。私はこれから、非公式のミーティングなどに参加するため、意識して仲間を探す努力をしようと思う。近日中にいろいろ開催される予定だ。

え?この写真のホースのこと?本当に知りたい?





実は数十年前、バルブ漏れのため、息も絶え絶えのヒーターをバイパスした。そのホースは、ジュビリークリップで留められていたが、最近その裏側でひび割れが発生した。幸か不幸か、そこから水が全方位に噴射されてしまったことで、すぐに気づくことができた。また、手が届く場所であったため、代わりに持っていたホースを数メートル使ってすぐに直すことができた。

うーむ、どうやらディクソンは正しかったようだ。やはり、ジュールスの家についての話をもっとするべきだったかもしれない…


翻訳:オクタン日本版編集部 Words and Photography: James Elliott

翻訳:オクタン日本版編集部 Words and Photography: James Elliott

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