歴史は再度繰り返す ~PARMIGIANI FLEURIER~

貴重なタイムピースの修復を手掛けてきた"神の手を持つ時計師"が手掛ける時計は、創設21年目を機に原点回帰を進めた。
シンプルさの中には、歴史への敬意が秘められている。

貴重なヒストリックカーを維持させていくには、腕利きのメカニックが必要となる。時計業界においてもそれは同じこと。百年前に製造されたタイムピースを修復するためには、膨大な知識量とパーツさえも自作できるような技術力、そしてなによりも知的探求心に満ち溢れていなければいけない。

chrono_170905_parmigianifleurier (1).jpg

当代随一の時計修復師として名を成したのが、ミシェル・パルミジャーニという人物。彼はスイスの大富豪、サンド・ファミリー財団が所有するタイムピースを修復し、失われつつあった時計文化を再興してきた。「パルミジャーニ・フルリエ」という時計ブランドは、フルリエというスイスの小さな町にあった彼の修復工房を発展する形で生まれた。

修復を通して学んだ技巧やデザインを取り入れたクラフツマンシップに溢れる時計を得意にしており、「トリック クロノメーター」は創業した1996年に製作されたファーストモデルを再構築している。古代ギリシャ・ローマ建築の円柱からインスピレーションを受けたケースフォルムや、ギリシャ神話の女神アテネが持つ槍の形状をイメージした字分針など、特徴的なデザインを取り入れ、しかもそのすべてを"黄金比率"でまとめているのも特長だ。

chrono_170905_parmigianifleurier (12).jpg

ブランド自体は新興勢力だが、時計修復師としてのキャリアや審美眼という、他のブランドとは違う経験がある。その強みを生かした時計は、時計文化の過去と現在を結びつける存在となっている。

chrono_170905_parmigianifleurier (11).jpg

Toric Chronométre
トリック クロノメーター

ベゼルにはダブルゴドロンやモルダージュ装飾を取り入れ、古典的な美意識を表現した。その一方で、搭載する自社ムーブメントCal.PF331は、高精度の証となるCOSC 認定クロノメーターも取得しており、卓越した価値を作り上げている。
自動巻き、18KRGケース、ケース径40.8㎜、3気圧防水、55時間パワーリザーブ。184万円(税抜)

chrono_170905_parmigianifleurier (15).jpg

文:篠田哲生 Words:Tetsuo SHINODA

パルミジャーニ・フルリエ・ジャパン
TEL:03-5413-5745

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事