歴代「Z」に敬意を表し、生まれ変わったNISSAN Z

NISSAN

これまでプロトタイプの姿しか見ることができなかったNISSAN Zだが、8月18日、ニューヨークにて米国市場向け量産モデルが初公開となった。これまでに180万台以上を販売し、世界で最も売れているスポーツカーの1つに数えられるZは、歴代モデル同様に手が届くスポーツカーとして2022年春に米国で発売予定。なお、日本仕様であるフェアレディ Zは今冬発表される予定だ。



爽快でダイナミックなパフォーマンス

新開発3リッターV6ツインターボエンジンは、最高出力400馬力(405PS)、最大トルク350lb-ft(475Nm)/5,600rpmを発生し、出力を大幅に向上しながら、シャープでスムーズなレスポンスを実現。



6速MTには、大トルクのVR30DDTTエンジンに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインを強化している。また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更により、ドライバーの意のままのスムーズなシフトチェンジが可能になった。新開発の9速ATは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを実現。また、通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、ポテンシャルを最大限に引き出すスポーツモードを選択できる。スポーツモードは、より速い加速制御に加え、ステアリングやVDCに専用制御を採用することで、ワインディングロードをキビキビと駆け抜けるのに最適だ。日産の後輪駆動車として初めて、クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能のポテンシャルを最大限発揮するアドバンストローンチアシストコントロールシステムを搭載。(AT全車、MT車は「Performance」グレードのみ)



また、高速走行時やコーナリング時にレスポンスの高いハンドリング性能を実現するため、ボディ剛性を向上し、ラックアシストタイプEPSやワイドフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能を最大13%向上させ。前後のダンパーに新設計の大径モノチューブダンパーを採用し、減衰力を現行より約20%低減させることで路面突起乗り越し時のショックを抑え、モノチューブ式の強みである高応答性を活かすことで路面追従性を向上させ、高い操縦安定性を実現。アルミ製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションは、キャスター角を増やすなどしてジオメトリーを変更し、直進安定性を向上させている。

どんな道を走っていても、ドライバーが常にクルマとのつながりを感じられることは、1969年にデビューした初代モデルから受け継がれるZの特徴だ。新型Zのチーフプロダクトスペシャリストである田村 宏志氏は、「目指したのは、史上最高の『Z』をつくることでした。これまで『Z』は常に進化し、人の本能を刺激することで、ワクワクするドライビングを提供し続けてきました。新型『Z』は、パワフルで俊敏なだけでなく、ドライバーとの一体感をさらに高め、最高の『ダンスパートナー』となることを目指しました。」と述べている。

歴史と未来の融合


エクステリアは、伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30型)をはじめとする歴代Zへのオマージュを込めたシルエットだ。例えば、ノーズから四角いテールエンドに向かって流れるようなルーフラインや、テール部分がフロントフェンダーよりもわずかに低くなっていることなどが、独特のサイドシルエットを創出している。



LEDヘッドライトのデザインは、240ZG(S30型)を彷彿とさせる2つの半円がイメージされており、新型Zのアイデンティティとの調和が見られる。また、リアコンビネーションランプは、Z32型を彷彿とさせるデザインに最先端の技術を取り入れ、新たに3DシグネチャーLEDテールランプを採用してZらしさを表現した。「Performance」グレードには、リアの浮き上がりを抑えるリアスポイラーを採用し、フロントスポイラーには、GT-Rの開発で培ったノウハウが活かされている。ボディカラーは、モノトーン3色と、新色のセイランブルーとイカズチイエローを含む2トーン6色(いずれもスーパーブラックルーフ)を用意。





新型Zのデザインテーマは「伝統と最新技術の融合」で、洗練されたエクステリアと、歴代のZへのオマージュを感じさせるデザインを特徴としている。グローバルデザイン担当専務執行役員のアルフォンソ アルバイサ氏は、「デザイナー達は、多くの『Z』オーナーの声に耳を傾け、歴代『Z』の成功の秘訣を探りながら、数え切れないほどのスケッチを重ねました。そして、新型『Z』には、過去から未来へとつながるデザインを採用しました」と語った。

先進技術にヴィンテージ感をプラス


新型Zのセンターコンソールは3つのエリアに分かれており、インストルメントパネル上の3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)は、ドライバーが見やすい位置に配置。



理想的なスポーツカーのコックピットとするため、日産ドライバーである松田 次生選手等からもアドバイスを受け、12.3インチ・フルデジタルメーターディスプレイを一新、エンジン回転計の針が真上を指すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを促すなど、重要な情報を一度に表示できるようにした。ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードも用意されている。新設計のシフトレバーは、マニュアル、オートマチックともに、握りやすさと快適性を追求。また、深いスポークを採用したステアリングホイールは、伝統的な美しさを損なうことなく、ドライバーが素早く操作できるようデザインされている。







シートは、GT-Rの開発で培ったノウハウを活かし、ホールド性とフィット感を向上させた。シートバックにスエードを多用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きも抑制する。インテリアカラーは、グラファイト、レッド、ブルーの3色を用意。特別限定仕様車「Proto Spec」では、インストルメントパネルのステッチをはじめ、室内の随所に黄色のアクセントを施している。また、シート素材を重ねることでグラデーション効果と立体感を生み出した。



日産の最高執行責任者(COO)であるアシュワニ グプタ氏は、次のように語った。
「日産にとって『Z』とは、私たち自身の一部であり、長年にわたるお客さまへのコミットメントです。私たちは『Z』を通して、最新のスポーツカーのデザイン、パフォーマンス、そしてワクワクをお届けしています。50年以上もの間、『Z』は手の届く夢のスポーツカーであり続けています。このことは、時代を超えた『Z』の魅力であり、数え切れないほどの従業員の献身的な取り組みと情熱によって実現しています。私たちは、これまでと将来の世代へ『Z』のワクワクをお届けしようとしているのです」



詳細な写真が見たい方はこちらの画像ギャラリー【全77点】

NISSAN Z

ボディサイズ全長×全幅×全高:4379×1844×1316mm
ホイールベース:2550mm
エンジン:VR30DDTT 3.0L V-6 ツインターボ
最高出力:400hp
最大トルク:350lb-ft@5600rpm
トランスミッション:6速マニュアルトランスミッション パドルシフト付き9速オートマチック

オクタン日本版編集部

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