無心で徹底的に行うんです。 そうすると心が落ち着いて、 新しいアイデアが閃いたりもします。

シリーズ:ビューティフルカーライフ vol.2
宮部修平 ( N E G R O N I ブランドディレクター )

今回は、ドライビングシューズブランドNEGRONIのブランドディレクター宮部氏に「カーケア」と「シューケア」の共通点について話を伺った。

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50年ほど前に祖父が興した靴メーカーの2代目だった父 が、今でいうかなりの自動車エンスーでした。その関係で 父が靴製造のかたわらにドライビングシューズの製造を始め、 そしていわゆる3代目であるわたしが、今の『NEGRONI(ネ グローニ)』というブランドを継承しました。  

そんな環境で育ったからでしょうか、車そのものはもち ろん、"素材" とそのケア製品も大好きなんですよ。  NEGRONIのドライビングシューズにしても、デザイン や製造だけでなく実は "革作り" の段階から徹底的にこだ わっています。そしてシューケア用品も、世界各国のさま ざまな製品サンプルをわたし自身が時間をかけて検証して います。こだわるというか、とにかく"好き"なんですよね。 時間を忘れてしまうほどに。

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今回、ご縁があって港区のシュアラスター ラボにわた しのアルピナB3ビターボ(といっても父の遺品である社 用車ですが)を持ち込み、シャインマスターの青木 潤さ んに洗車と鉄粉取り、ワックスがけをしていただきました。 ......やる前はけっこう自信があったんですよ。「そんなことしてもらわなくても僕の車は十分キレイだから」みたいな。洗車やワックスがけはそこそこマメにやっていますからね。といっても別にキレイ好きなわけではなく、仕事上のストレス解消みたいなものです。

やはり仕事をしていると、何もかもがうまく行かない局面というのはどうしたってあります。そんなとき、会社のすぐ前の空きスペースにアルピナを置いて、徹底的に、無心で洗車するんですよ。そうするとなんだか心が落ち着いて、新しいアイデアが閃いたりもします。で、そんな感じですから自信があったわけですが、実はぜんぜんダメだった(笑)。

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ボディ表面に鉄粉がこんなにも固着していたことに気づいてませんでしたし、それを丁寧に除去し、そのうえで上質なワックスをかけると、こんなにも艶と深みが出るのか......と、ちょっと驚いています。シャインマスターの青木さんとさせていただいたいろいろなお話も面白かったですし、そして「あぁ、自分の仕事と同じだな」とも思いました。千差万別な状態である素材に対して、星の数ほどある選択肢のなかから最適と思われる打ち手を選び、妥協することなく、それをひたすらに講じていく。

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「ドライビングシューズ作り」と「カーケア」ということで表層的なジャンルはまったく異なりますが、やっていること、志していることは、僭越かもしれませんがNEGRONIとシュアラスターは同じである......と感じましたね。今回は幸いにも専門家からカーケアのツボのようなものを教わることができましたので、今後は自分自身の手でそれを行っていきたいと思います。父の遺品であるアルピナの輝きを保つためにも、そしてわたしの仕事の、より効果的なストレス解消のためにも(笑)。

170901 _car_シュアラスター (6).JPG宮部修平
NEGRONI』ブランドディレクター。テーブル上にあるのは自社のドライビングシューズ2種類と、宮部さん自身が検証し、自信を持って推奨するシューケア用品の一部

文:谷津正行 Words:Masayuki TANITSU
写真:奥村純一 Photography:Junichi OKUMURA

シュアラスター
URL:http://www.surluster.jp/

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