80年代から時が止まったまま!? オドメーターわずか87マイルのメルセデス・ベンツ 300 SD

courtesy and copyright of Gooding & Company . Photo by Brian Henniker

1977年に登場したメルセデス・ベンツ300 SDは、ディーゼルの欠点であるパワー不足を解消するためターボが搭載された最初のモデルであり、当時米国向けのみの設定とされた。ターボ搭載ではあるものの、この3.0L直列5気筒エンジンの最高出力は113ps、最大トルクは23.2kg-mと控えめだ。しかし、当時原油価格の高騰に苦しんでいたアメリカでは10.6km/Lという燃費の良さが人気を呼び、1980年までに2万8634台が販売されている。また、乗用車として世界で初めてABSがオプション設定された車でもある。

Mercedes-Benz 300 SD turbodiesel sedan, US version of 1977

先日行われたペブルビーチオークションでは、1980年製の大変美しいコンディションを保ったメルセデス・ベンツ 300 SDが出品された。この300 SDは、カリフォルニア州ハリウッドにある北米のメルセデス・ベンツから、南パサデナに住むビング・ユー・イップというメルセデス・ベンツ・コレクターが新車で購入したものだ。

イップ氏は自身のたくさんのコレクションの中から毎日違う車に乗って通勤をしていたようだ。妻によると、かれはこの車をほとんど運転せず、所有していた間の走行距離はわずか81マイルだったという。イップ氏が亡くなった後、妻がこの車を低走行のメルセデス・ベンツ愛好家であるセカンドオーナーに売却した。





セカンドオーナーは、このメルセデス・ベンツを走行可能な状態に戻すにあたり、オリジナルステッカーや工場検査のマークなどのオリジナルのディテールは残すようにした。300 SDにはオリジナルマニュアルと付属のメタルデータプレート、ツールキット、オリジナルスペアタイヤとジャッキが付属しており、ドアまわりにはオリジナルのエミッション・ステッカーも残っている。



このモデルに搭載されていたW116プラットフォームは、メルセデスのプラットフォームの中で優れたものの一つ。耐久性が高く、信頼性の高いエンジンの一つとして知られるOM617エンジン(3.0L直列5気筒ディーゼル)を搭載している。W116のSクラスは、初めて採用された数々の安全技術で知られており、このモデルは圧倒的な信頼性と、改造のしやすさから現在でも非常に人気が高い。



シルバーブルー(DB 930 G)で仕上げられたこのモデルは1980年製造当時のオリジナル状態が保持されていることもあり、推定落札価格の3万~5万ドルを大幅に上回る15万6800ドル(約1722万円)で落札された。



GOODING & COMPANY
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All images copyright and courtesy of Gooding & Company.
Photos by : Brian Henniker (MERCEDES-BENZ 300 SD)
Mike Maez (Auction Stage Images)

オクタン日本版編集部

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