アルピーヌA110リネージュをサーキットで駆る!その指南役は・・・なんとアプリ!?

Octane UK

食材の注文からトレーニング、健康管理まで、最近ではあらゆるアプリが登場しているが、ついに、ガーミン社からサーキット走行向けのアプリが発売された。私たち『Octane』はスラクストン・サーキットで、ガーミン社の新製品「キャタリスト」をテストする機会を得た。このアプリは価格が900ポンドで、リアルタイムのドライバーコーチングをおこなってくれるという機能が売りだ。


スラクストンは英国きっての高速サーキットとして知られるが、私がこのサーキットを走るのは今回が初めてである。そのため、アプリの性能を試すには絶好の機会となった。幸いにして試乗するのは、公道でよく運転する機会のあるアルピーヌA110であったから、車に慣れるのにそう時間はかからなかった(以前に『Octane』誌の取材でディエップの工場も訪れている)。このA11Oは、インテリアがブラウンの革で張られたアビス・ブルーの、シックなリネージュである。

このデバイスはガーミン社のカーナビに似たデザインでありながら、賢い機能が満載なため、少しばかり大きく見える。もちろん、サーキット走行中の激しい上下左右のG変化に耐えるように配慮されている。GPSだけでは、必要とされるレベルの精度には到底およばないため、ダッシュマウントカメラと事前に登録されたサーキットマップを使ってラインを追跡する。3周のベンチマークラップ(デバイスの慣熟走行のようなものだ)の後、キャタリストはレーシングラインやブレーキングポイントなど、ラップタイムをコンマ数秒縮めるための方法をリアルタイムに提案してくれる。

いざ、テストへ。経験豊富なドライバーと一緒に走行指導を受けることは、サーキット走行初心者だけでなく、経験豊富な人にとっても非常に有益なことだ。このセッションでは、スラクストン・サーキットの高速コーナーを熟知している“人間の”インストラクターに教わった。

アルピーヌA110とスラクストン・サーキットの相性は抜群で、ガーミン社のキャタリストを使えばさらに相性がよくなる。

アルピーヌは、公道重視のシャシーセットアップが施されているにもかかわらず、サーキットでも違和感はない。A110がどれほど特別な存在であるかを思い出させてくれた。特に1200kg以下の軽い車重のありがたさを、サーキットでは顕著に感じ取ることができる。最速区間でスピードを上げるには慣れが必要である。インストラクターに貴重なコーチングを受けている間、キャタリストは私のドライビングスタイルを分析して学習してくれる。ここに至ってデータを確認し、改善すべき点を検討する。アプリ上でライブヒントを読み上げたり、ライブセクタータイムでラップデルタを表示したりするプログラムなどの設定をおこない、再びコースインした。

果たして、このスラックストン初心者の私でも、セッション終了時にはタイムが大きく短縮されていた。たとえば、最後のシケインで「ブレーキを遅らせて!」というキャタリストからの提案に、インストラクターは納得のいかない面持ちをしていたが、他のコーナーで「早くターンインして」、「プッシュし続けて」という提案については、特に異論はない様子だった。

このようなライブ・コーチングは非常に有用であるが、このデバイスの真の価値はデータ・ログにある。セッションが終わってピットに戻ると、グラフやセクタータイム、ラップの実際の映像を見ながら、自分のすべてのラップを分析することができる。



コーナーの攻め方がわからないときは、キャタリストが理想的なラインを提示してくれる。また、最速区間を足し合わせた最速ラップタイムも表示される。本物のインストラクターの代わりにはならないが、とてもいい参考になる。注意を払い、提案されたことを実行すれば、ラップタイムを向上させることができる。余暇のほとんどをサーキットで過ごすような人には、非常に便利なツールだろう。あらかじめ登録されているサーキットの数は膨大だが、キャタリストは登録されていないサーキットも学習することができる。このアプリの一番素晴らしい点は、その使い勝手の良さだ。

私はA110にも惚れてしまい、帰宅後は中古価格を調べていた。A110はとても特別な車であり、今後も記事に登場することは間違いないだろう。

編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:オクタン日本版編集部
Words: Matthew Hayward

編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:オクタン日本版編集部

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