4番目のレンジローバー、ヴェラールはどこから来たか

THE ROOTS of VELAR

2017年3月、レンジローバー・ファミリーにとって4番目のモデルとなる新型ラグジュアリーSUVがお披露目された。現代的でクリーンなスタイルの同モデルには、1969年に登場した初代レンジローバーのプロトタイプと同じ名前が与えられていた。

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初代レンジローバーの登場が世界の自動車業界に与えた衝撃は計り知れない。1970年に発表された同モデルは、フルタイム4WDがもたらす高いオフロード性能を備えつつも、オンロードでは高級車と同等の快適性を有するという、これまでにない革新的なコンセプトをもつマルチパーパス・ヴィークルの先駆けだった。

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そんなレンジローバーには、開発段階ではまったく異なる名前が与えられていた。特徴的なクラムシェルボンネットに装着されていたバッジは「VELAR」。ベールやカバーを意味するイタリア語から派生した言葉である。このような名前がつけられた背景には、革新的なコンセプトを持つプロトタイプの秘密を守るという意味合いがあったといわれている。「VELAR」と名付けられた試作車は、1969年から70年の間に26台が造られた。

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先日登場したニューモデルにも、初代レンジローバー試作車と同じ名が与えられた。その最大の特徴は、先進的でクリーンなデザインである。エクステリアデザインは「Reductionism(還元主義)」をキーコンセプトに、無駄を極限まで排除。シンプルで、それでいて力強いボリューム感と、流麗なプロポーションを両立した。ディテールもこだわり抜かれており、ドアハンドルもSUVで採用されることは稀な、ボディパネルに格納されるデザインを採用している。

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インテリアは、タッチパネルとダイヤルから構成される、シームレスなデザイン。空調やドライブモード、ナビの操作などに必要なボタンやスイッチ類が所狭しと配置されていた従来のモデルとは異なり、見た目が美しく、ユーザーインターフェースの観点でも優れている。ステアリング前方にはHUD(ヘッドアップ・ディスプレイ)も備わる。運転中の視線移動を最小限に抑えられる本装備は、同ブランド初の採用だ。

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衝撃的デビューを飾った往年の試作車に由来する名が与えられたヴェラールは、初代レンジローバーの「先進的で上質な都会的SUV」というコンセプトを、現代的な視点から再解釈したモデルである。ヘリテージは、継承されているのだ。

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