私とアウディ TT、そしてガチョウ?|Octane UK版コラムニストの日常

Photography : Evan Klein

Octane UK版のスタッフが愛車との日々を綴る連載「Octane Cars」、今回紹介するのはLAを拠点とするフォトグラファー、エヴァン・クラインの愛車である2001年アウディTT。ロケハンに出かけたときのちょっとした出来事を綴る。


アウディTTで駐車場からゆっくりとバックで出ようとしたら、濃い白色の煙の巨大な塊に吸い込まれてしまった。瞬間、車の莫大な修理費用の数字が頭の中を駆け巡った。その後、煙は止まった。ヘッドのガスケットか?リングか?バルブか?エンジンを分解修理する必要はあるのか?私はゆっくりと家まで帰り、恐る恐る確認してみた。しかし、エグゾーストから煙は出ておらず、オイルに塊はなく、ラジエーターに泡もなく、水温計の数値も完璧だった。

メカニックに電話で聞いてみたが、こんな返事だった。「うーん、それはおかしいな。再発したら来てくれ。たまに、ブレーキのマスターがマニホールドに漏れることがあるんだ」 その後数週間が経ったが、何も問題は起きていない。何かあれば連絡しよう。

さて今回、私はこのTTでポート・オブ・ロサンゼルスからロサンゼルス川のほとりまでロケハンに行ってきた。すると川で泳いでいた一羽のガチョウが、わざわざ岸に上がって近づいてきた。アウディを見学しにきたのだろうか。私に向かって何度かポーズを決めながら、30分ほど一緒に過ごしてくれた。口数は少なかったが、良き仲間であった。

そして、海から山へ…。エンジェルス・クレストは、谷と砂漠を分割する山脈だ。曲がりくねった山道を1時間ほどドライブして、ニューコムズ・ランチに着いた。名前はランチ(牧場)だが、実際のところはレストランだ。その場所で金曜日の朝、かのマグナス・ウォーカーと彼のポルシェと過ごした。そこは、本当にポルシェだらけで、アウディはたった1台だけだった。ある意味、特別な気分にもなれたわけだが。彼らは観衆たちの前で、エグゾーストサウンドを誇らしげに奏でながら、行ったり来たりしていた。もちろん、無料のコーヒーとドーナツも提供されていた。素晴らしい景色のこのエリア一帯は、準備がなくとも車の撮影には最適な場所だ。

ニューコムズ・ランチにて。たくさんのポルシェ達ともに。

6月下旬に私は、ビバリーヒルズのど真ん中のフランクリン・キャニオン・パークで『ハイウェイ・アース』ショウを開催した。このショウは今年で7回目、背の高いレッドウッドに囲まれた小さな貯め池の近くが会場となった。当日は250台以上の車が参加し、前回からのゲストでは、カスタマイザーのジョージ・バリスや、レーシングドライバーのアレン・グラントが彼のコブラと共にやって来た。

今年は、あのジェイ・レノも来てくれた。しかし、私にとって今回の本当のスターは、私の父だ。父は、このショウのためだけにLAを訪れ、バンに荷物を詰めるのを手伝い、開催中は看板を掲げ、終了後には会場の清掃までしてくれた。思うに私が一番辛かったのは、数週間を共にした父が、飛行機に乗って帰ってしまったことだ。父さん、ありがとう!

『ハイウェイ・アース』カーショウにて。右から、筆者のエヴァン、彼の父親、そして『Octane』誌のコラムニスト。

Words:Evan Klein まとめ:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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