ロールス・ロイス コーニッシュにホワイトタイガーが乗るのは、しかるべき理由があった

Barrett-Jackson

1965年に登場したシルバーシャドウは、ロールス・ロイス初のユニット構造、ディスクブレーキ、油圧式セルフレベリング・リアサスペンションを備えた革命的なモデルだった。シルバーシャドウには、ビル・アレンがデザインし、当時ロールス・ロイスの子会社であるマリナー・パーク・ウォードが手作業で製作したハードトップのクーペとカブリオレが限定生産されていた。発売当時、英国で最も高価な自動車であったこれらのコーチビルドの美しさは、1971年、フランスのコートダジュールのエキゾチックな道にちなんで「コーニッシュ」と名付けられた。コーニッシュ・クーペは1982年に生産を終了したが、グラマラスなカブリオレは1996年まで生産された。コーニッシュは、発売当初から注目を浴び、納車までに4年も待つこともあったという。





ベーシックモデルであるシルバーシャドウを上回るパフォーマンスを発揮するために、コーニッシュの6.8リッターV8エンジンは、カムシャフトの形状を変更し、大径の排気システムを採用することで218馬力を発揮し、オートマチックトランスミッションと組み合わされていた。革張りの豪華な装備と約5000ポンドの重量にもかかわらず、静止状態から時速60マイルまでの加速は10秒以下、最高速度は時速130マイルに迫る実力を持っていた。





この1994年製のコーニッシュIVは、1993年から96年にかけて生産された219台のうちの1台だ。写真を見てピンと来た方もいるかもしれない。これはエンターテイメントデュオ、ジークフリード&ロイのロイ・ホーン氏の50歳の誕生日に贈られたものなのだ。ジークフリード&ロイは、ホワイトタイガーや派手なライトを駆使したショーにより、1990年代、世界中にその名を轟かせたイリュージョニストのデュオだ。当時人気を誇っていた彼らだったが、2003年にショーの途中でロイがホワイトタイガーに襲われる事故が起き、リハビリを経た末に2009年のチャリティ目的での公演を最後に舞台を降りた。惜しくもロイ・ホーンは昨年5月に新型コロナウイルスの合併症で亡くなり、ジークフリード・フィッシュバッカーも今年1月にすい臓がんで亡くなっている。

このコーニッシュⅣは、ラスベガスのフレッチャー・ジョーンズ・インポートで整備されたものだ。整備記録と、ジークフリード&ロイが世界各地のショーで共演した、美しい動物と一緒に写っている写真も残っている。バレット・ジャクソンのオークションに出品され、11万7700ドル(約1294万円)で落札された。


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オクタン日本版編集部

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