BMWが提案する、ラグジュアリーの新しい形|日本の名匠シリーズ第3弾「BMW X7 西陣エディション」登場

photography : Kazumi Ogata

「BMWと日本の名匠プロジェクト」は、日本が誇る匠の技と、BMWの妥協のない車造りの技術と哲学、そしてBMW Individualに込めたドイツ・クラフトマンシップ技術との融合により、世界に唯一無二のラグジュアリー感を実現している。第一弾のM850i xDrive グランクーペをベースにした京都エディション、第二弾の750Li xDrive Excellenceをベースにしたピュアメタルエディションに続き、X7 xDrive40d Design Pure Excellenceをベースに、日本が世界に誇る西陣の色彩芸術をインテリア・トリムおよびフロント・センター・アームレストに採用した、「BMW X7 西陣エディション」が登場した。



西陣織では和紙に施す箔をインテリア・トリムに直接装飾しており、「五色金重ね」という、金銀箔や顔料を表面に塗っては敢て塗りつぶし、架飾工程を5回も繰り返すことで色彩に深みを出している。幾重にも重ねられた金銀箔や様々な顔料による立体的な輝きと深みのある色彩が、室内に入り込む光を受けて季節や時間毎に表情を変え、優雅さをたたえた高貴な煌めきで室内を彩ることで、ラグジュアリーな室内空間をより上質なものへと高めている。



箔装飾したメリノ・レザーを極めて細く裁断し、その一本一本の表面を引いて確かめながら絹の経糸(たていと)と繊細に織り込むという西陣の引箔技法を用いた他に類を見ない技術力と芸術性の高い室内装飾に挑戦している。レザーのしっとりした質感を残しながらも、立体感のある織の一目一目から優雅な光と色彩を放ち、上質なドライブを彩っている。更に、卿雲(けいうん)をイメージした白い立体模様の織を加えることで、日中の陽の光だけでなく、夜間スカイルーフに映える美しい星空の中でも、西陣織加装飾の存在感を維持し、優雅な雰囲気を高める演出も行なわれている。



センターコンソールは、和紙ではなく、メリノレザーの上に箔を施している。これは、室内に西陣織を取り入れる場合、保安基準上難燃性要件が適用される素材でなければならないためだ。上質なレザーを西陣で織るのは非常にハードルが高い工程だが、職人の高い技術力によって実現した。



パノラマサンルーフ、ダイヤモンドシステムのスピーカーに1万5000のLEDライトを設置することで、夜間には星屑を散りばめたような空間を演出。その中でも西陣の存在感を出すため、立体的な雲の模様を採用している。これにより、昼間の陽の移ろいだけでなく、夜間もラグジュアリーな空間を実現した。



インテリア・トリム部分を手掛けたのは、京都にある有限会社楽芸工房。300年以上前からの引箔(ひきばく)技術を今もなお支え、守り続ける一方、世界に向けて伝統工芸の枠を超えた新たなモノづくりにも積極的に取り組んでいる京都・西陣で箔屋としての歴史を重ねてきた村田商店の直営工房だ。

有限会社楽芸工房 伝統工芸士 村田鉱平氏
「誰もが知る世界的有名な高級車の完成形のプロダクトに西陣織の技法をどういった切り口で落とし込んでいくのか、そこが一番難しく思いました。お互いが上手にマッチし、新しいものが生まれれば、人の美意識が更新されていくと思うのですが、伝統という言葉に縛られ、つぶし合ってしまうのではないかという怖さもありました。今回は焼き箔という落ち着いた発色の独特な箔を使用しています。これは使い込むごとに色味が渋みを増していくようなものになっています。オーナー様のライフスタイルに合わせてゆっくりと時間をかけながら、ご自分の色に作り上げていっていただきたいという想いを込めて、こちらを採用しました。時間が作り出す価値、光の効果を存分に楽しんでいただける仕様になっているかと思います」

有限会社楽芸工房 伝統工芸士 村田鉱平氏

フロント・センター・アームレストを手掛けたのは、伝統を守りながらも常に挑戦と革新を取り入れた進化を継続し、世界に向けて西陣織の高い技術と芸術性を発信し続ける1889年創業の老舗西陣織メーカーである株式会社加納幸だ。

株式会社加納幸 代表 加納大督氏
「加納幸は、明治22年創業。今年で133年を迎えます。私で5代目になりますが、西陣織を繋げていこうと日々努力している中で、今回のような有難いお話をいただき、非常に感謝しております。今回、引箔という技法を天井部分に使用しております。車の内装に合わせて設計図を1から作り、柄を配置して織るのは職人にとっても全く新しいプロジェクトでした。レザーの中に絹糸で柄を織り込むのは加納幸にしかできない技法です。今回、西陣織を世界に広めていただけるような機会を与えていただき、有難く思っております」

株式会社加納幸 代表 加納大督氏、赤路博之氏

BMW X7西陣エディションの外装色には、BMW Individualカラーのアメトリンが使用されている。BMW Individualカラーは、複数の顔料を巧みに使い、多層塗りによる深みのある色彩を実現しており、中でもアメトリンは光のうつろいによる色彩の変化を最も感じられるカラーとなっている。塗料には、アルミ・フレークやマイカといった複数の顔料を巧みに使い、塗装面は下塗りからカラー層、クリア・コートまで平滑性に拘って丁寧に塗り重ねることで、色彩の深みを出すと共に、光の光度や角度がうつろうに従い宝石のアメトリンのように紫色から、赤、青、黄色と言った複雑かつ美しい輝きを放ち、エレガントなスタイルを際立たせている。



BMW ブランドマネジメントディビジョン本部長 遠藤克之輔氏
「我々BMWは0.1mm単位の妥協も許さないこだわりのものづくりを続けてまいりました。駆け抜ける悦びはもちろん、美しさ、デザイン、安心、安全性それを更に高次元へ目指していくアプローチとともに、今回のようなプロジェクトを進めています。日本の名匠プロジェクト第3弾となる西陣エディションは、様々な箔や織物の伝統文化、最新の技法を施し、我々のX7を彩ってくださいました。造り手の方々の紳士の姿勢は、我々のこだわりと融合し、様々な駆け抜ける悦びを提供します。この特別なモデルを日本で発表できたことに大変幸せな思いです。これからも様々な芸術分野と、我々のラグジュアリーモデルのコラボーレーションを提供していく予定です」

BMW ブランドマネジメントディビジョン本部長 遠藤克之輔氏

BMW ブランドマネジメントディビジョンプロダクトマネージャー御舘康成氏
「このプロジェクトは、単に日本とドイツの匠の技をコラボレーションするというだけではありません。お互いの技術、歴史、それぞれにリスペクトを払いながらそれを所有するストーリーまで、お客様に情緒的な価値を提供し、ラグジュアリーとしての価値を高めていきたいと考え、この日本の名匠シリーズを企画しました。今回のX7は、オールドファッションなラグジュアリーではなく、海の上をクルーザーで楽しんでいるかのような、明るく、開放的で清潔なラグジュアリー空間を表現しています」

BMW ブランドマネジメントディビジョンプロダクトマネージャー御舘康成氏

限定モデル「BMW X7西陣エディション」は、BMWオンライン・ストアにて受注を受け付けており、3台限定の販売。価格は1680万円で、納車は年末以降になる見通しだ。

じっくりと写真を見たい方はこちらの画像ギャラリー【全31点】をご覧いただきたい。

Photography : Kazumi Ogata

文:オクタン日本版編集部 写真:尾形和美

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