真のレーサーのための車|アストンマーティン ヴァルハラの話

Photography : Max Earey

思い返せば、今年7月のF1イギリスGPの予選直前というタイミングは、シルバーストンのアストンマーティンF1チーム本部にとって新型ヴァルハラの発表の場としてうってつけだった。アストンマーティンは、61年ぶりにこの神聖なコースに参戦しようとしていたのだ。そして、F1テクノロジーのトリクルダウンは、2023年から限定生産される同社の革新的な、新型フェラーリSF90ストラダーレに匹敵するスーパーハイブリッド車であるヴァルハラにも生かされている。

アストンマーティン会長のローレンス・ストロールは、「1960年以来、初めてF1マシンをここで見ることができることを誇りに思い、F1のスピリットをロードカーに詰め込んできました」と語る。「これは真のレーサーのための車です。世界中のFIAサーキットで、オーナーのためのオーダーメイドのトラックプログラムが用意されています」



2019年のジュネーヴモーターショーでヴァルハラが公開されて以来、自社開発のV6が採用されるか否かという予想のもと、読者諸兄もそのパワーの源については興味津々だったことだろう。しかし、新しい経営陣のもとでは、V6は選択肢として採択されなかった。CEOのトビアス・ムアースは「ユーロ7に適合しないものだから」と語り、新たなAMG GTブラックシリーズにも搭載されているAMG V8のフラットプレーンクランク開発版を採用した。740馬力の出力を、専用の8速DCTを介して後輪に供給し、さらに電気モーター(各車軸に1つずつ)から201馬力を出力することで、0-100km/hは2.5秒、最高速度は350km/h、ノルドシュライフェでのラップタイムは6分30秒になると宣伝されている。

プッシュロッド式のサスペンションや600kgのダウンフォースを発生させる空力などF1で培った技術が直接導入されているものの、ムアースは一般道での洗練された走りを約束している。チームのF1ドライバーであるセバスチャン・ベッテルとランス・ストロールが車両に対してのフィードバックに関与し、ニコ・ヒュルケンベルグもマシンの初公開に協力している。アストンマーティンのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるマレク・ライヒマンは、「ジュネーヴショーでの車から1ミリも変わっていません」と語っている。

文:Glen Waddington 写真:Max Earey まとめ:オクタン日本版編集部

文:Glen Waddington 写真:Max Earey まとめ:オクタン日本版編集部

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