37人乗りのヘリコプターも!|イギリスにあるヘリコプターの聖地「ヘリコプター博物館」

Photography : Paul Bussey

ヘリコプターの永住の地となったこの博物館は、かつてウェストン=スーパー=メアの飛行場だった。なんともふさわしい場所である。ブリストル飛行機のヘリコプター部門は、1955年から1959年まで「シカモア」ヘリコプターを製造した。そして1958年7月5日には、タンデムローターの「ベルヴェデア」の初飛行を同じ場所で迎えている。

収蔵されている文献や工芸品等はすべて、現在の理事長であるエルファン・アプ・リーズが収集した。数々の小さなコレクションはやがて、この博物館の前身である「ブリティッシュ・ロータークラフト・ミュージアム&エイボン・エアー・コレクション」にまで進化したのだ。さらにそれが現在のヘリコプター博物館となって1989年に開館した。そして、その後も成長を続けている。

回転翼航空機の保存を専門とした博物館としては、世界最大である。展示物の総数は80点を超える。小柄で1シーターのオートジャイロから、フランス製で1550shp(軸馬力)のチュルボメカ(ターボメカ)製IIIC6 ターボシャフトエンジン3基を搭載した巨大な37人乗りの「SUD SA321F シュペルフルロン」まで、様々な種類が揃っている。また、ロシアのミル社製の変異型など、軍用ヘリコプターも多機種が展示されている。

1971年アメリカ製の「マクロック J-2 オートジャイロ」。

エンジンを3基積んだ「シュペルフルロン」。

自国内で成長したヘリコプター会社、ウェストランド・エアクラフト社の展示も見応えがある。なかでも、前女王が所有した「ウェセックス HCC Mk4」が最も有名だろう。この機体は、1969年にヨーヴィルで製造された2機目で、女王陛下の飛行移動用に存在する、たった2機のうちの1機だ。この機体は独特のレッドとネイビーブルーのカラースキームで仕上げられている。他のウェストランド社製の機体の展示は、ホワールウィンドが数機、1957年のウィジョンが1機、1952年のドラゴンフライが1機である。

ウェストン=スーパー=メアでのヘリコプター製造の歴史においては、1951年製造のブリストル社製「シカモア」と、1960年製造で現在レストア中の「ベルヴェデア」の5機目のプロトタイプが有名だ。これに「シカモア」の2機目が入れば、ブリストル社製の機種が揃うことになる。

この博物館の展示のテーマは、まさに多様性だといえるだろう。極端なのものでは、1931年製の「ハフナー R2」がある。これは現存するヘリコプターで最古のものだ。また、世界最速の機種として、ウェストランド社の1986年製の「リンクス」も展示される。変わったものなら、1シーターの「マレー M1」だ。1954年に自国内のサルフォードで製造され、750ccのバイク用JAPエンジンが動力だ。他にも、ベンセン社製「B8 ジャイロボート」もある。おそらく、現存するもので最もレアなのは、1957年に初飛行した「フェアリー・ロートダイン」プロトタイプの部品の数々だろう。

展示機種のなかでも特にヘリコプターファンに根強い人気なのは、「ベル 206 ジェットレンジャー」、「ベル 47G」、「ロビンソン R22」、「ブラントリー B-2」、「サンダース・ロー スキーター」、「ヒラー U-12C」などだ。ここは実にインタラクティブな博物館で、しかも定期的に他のヘリコプターがやってくる。そして、不定期だがヘリコプター飛行に同乗することもできる。夏季期間中には、その他のイベントも実施される。

オクラホマ州からやってきた、1965年製の「ブラントリー B-2」。


博物館のメインとなるビルに隣接したパイロットブロック内は、「ウェストン航空展示」のエリアとなっている。ここに存在した、ウェストン=スーパー=メア空港や会社、航空機を、さらに掘り下げて研究するエリアだ。今やこのヘリコプター博物館は、回転翼航空機を記念する聖地となっており、近隣でも最大級のインドアアトラクションのひとつでもある。そしてもちろん、カフェやギフトショップもある。

Words and pictures: Paul Bussey まとめ:オクタン日本版編集部


ヘリコプター博物館

所在地:The Heliport, Locking Moor Road, Weston-super-Mare, Somerset BS24 8PP
電話:+44 (0)1934 635227
メール:helimuseum@btconnect.com
ウェブサイト:www.helicoptermuseum.co.uk
営業日:水曜〜日曜、ホリデーシーズンは全曜日
営業時間:10時〜17時半 (11月〜3月は16時半)
入場料等は、ウェブサイトをご確認下さい。

オクタン日本版編集部

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