「新車の」クラシックミニ、最強版が登場|サーキットもバッチリ走れて毎日乗れる

Octane UK

80年代、90年代のプジョーや最近の前輪駆動のホットハッチを何年も運転してきた。だが、コーナリング時にブレーキを遅らせたり、深く踏んだりしてリアをコントロールする際に、どのくらい遅らせるか、どのくらい深く踏むかがわかるまでにはやはり時間がかかる。助手席に同乗しているジャック・エイトケンは、F2でも活躍し、ウィリアムズF1のリザーブドライバーでもある人物だ。彼からミニをサーキットで走らせるテクニックを存分に教わりたい。

私たちは、ビスター・ヘリテージにいた。シルバーストンを拠点とするコーチビルダー、デビッド・ブラウン・オートモーティブの開発チームが、サーキット走行に対応したミニを開発したのだ。その最新作「デビッド・ブラウン・ミニ・リマスタード Oselli Edition」の試乗にやってきたというわけだ。



標準のミニ・リマスタードにも少し乗ってみたが、この車はパワーステアリングやエアコン、Apple CarPlay対応の「インフォテイメント」システムが搭載されているにもかかわらず、クラシックミニのようなフィーリング、サウンド、走りを実現していることがわかる。Oselli Editionは、ミニの魅力を一部残したまま、その「ミニらしさ」を極限まで高めた車なのだ。



71bhpの1275ccインジェクションエンジンを搭載した従来のリマスターとは異なり、このモデルには1450cc、125bhpまでパワーアップされたAシリーズエンジンが搭載され、アグレッシブなカムシャフトとツインSUキャブレターも備えている。5段ギアボックスにはリミテッド・スリップ・ディファレンシャルが装備され、ブレーキはフロントにAPレーシング製4ポットキャリパー、リアに軽量合金製ドラムが採用されている。通常のリマスターと同様に、強化・脱脂された新しいヘリテージシェルをベースとしており、シルバーのディテールは黒に塗り替えられている。このモデルにはリアシートはなく、フロントにはバケットシートが装備された2座仕様だ。

Oselli Editionの開発に携わった大のミニ好きであるエイトケンは、たとえサーキットでの走行性能が低くなっても、ミニの個性を失わせたくなかったのだ。ダンパーにはビルシュタインを採用しているが、足回りのセットアップは本格的なミニレーサーほどは硬くない。タイヤは公道用のヨコハマA359が採用されている。



サーキット走行は素晴らしかった。生き生きとしたフィードバックが得られ、エンジンは3000rpm付近からレッドラインの6000rpmまで力強く吹け上がり、凄まじいエンジン音がする。シャシーは信頼性が高く、恐れずに限界を探ることができるのだ。ミニは非常に楽しいだけでなく、使いこなすことができればとても速い車だ。

この車は、公道走行にも適している。デビッド・ブラウンは、Oselli Editionを購入したカスタマーの中にはサーキットを走る人もいるだろうが、ほとんどは純粋にロードカーとして使われるだろうと考えている。だからこそ、室内には快適な設備が残されているのだ。実際に公道を走ってみると、その使い勝手の良さに驚かされた。EPASは低速時によく効くが、加速時にはほとんど気にならない。また、エンジンは、切れの良い5速ギアボックスを使って温めれば、柔軟性が感じられる。時速70マイルで走っていても比較的良好である。

この車からは、そのディテールへのこだわりを感じることができる。ベース価格は10万ポンド弱(約1500万円)で、ミニにしては高額な印象を受ける。しかし、他のオーダーメイドの“レストモッド”に比べたら、納得感のある価格だろう。美しいトリミング、見事な塗装の仕上がり。現代的な機能とアップグレードされたスイッチギアのおかげで、乗り始めてすぐに快適に楽しむことができるのだから。


文:Matthew Hayward まとめ:オクタン日本版編集部

文:Matthew Hayward まとめ:オクタン日本版編集部

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