知らない車、見慣れない車だらけ!ハンガリーのオールドタイマーショーを訪れてみた

Tomonari SAKURAI

ハンガリーを訪れた。ハンガリーでは8月にハンガロリンククラシックがあったが、タイミングが合わず出かけることができなかった。ピーターオート主催ではなく独自で継続したイベントには興味があったけれど時間が許さなかったのだ。今回取材したのはオールドタイマーショーというイベントで、ブダペスト市内にある鉄道博物館で行われていた。訪れたのは最終日の日曜日ということもあって結構な賑わい。

屋内会場を所狭しと埋め尽くした展示車両はハンガリーだけでなくオーストリア、スロバキア、チェコなどからも参加が多い。ハンガリーの国境は7カ国もあるのだ。

このイベントは、博物館内のイベントホールで各国の旧車が展示されているというもの。会場に入ってみて驚いた。展示車を見ても「これだ!」と認識できない!ハンガリーをはじめ東欧の車が多く、見慣れない車がほとんどだからだ。何とか小さな脳みそをフル回転させて、目の前にある車が何なのかを認識しようと試みているが、ない袖は振れない。初心に帰って初めて見る車を楽しむことにした。

ソ連のヴォルガ。ナンバーに注目!

JAWA Minor (1938年)

NSU PRINZ 1958年の1型。

もちろん西側で慣れ親しんでいる車たちもいてちょっとホッとする。意外とバイクも多いことに驚く。コンディションも良い。

日本車はダットサン240Zが登場!

大好きなバイクもいきなりNSUで始まった。NSU 502T(1927年)

どこでレストアしているのだろう?そうだ、ハンガリーは多くの修理工場などがある。現在ではヨーロッパ最大の工場をハンガリーに持つアウディをはじめ、多くのメーカーがハンガリーではパーツを製造していたり、車体の製造をしている。それは単にコストが安いだけでなく高い工業力を持っているからだ。以前にもシトロエンのタマス氏のガレージをお送りしているのでもうご存知の方も多いことだろう。そんなことからハンガリーで程度のいい旧車が多いのも頷ける。ただこれだけ車両のコレクターがいるのは驚きだ。EUの中でも決して高い所得のある国ではないからだ。…といったことを考えながら会場を練り歩く。ヴィンテージなドレスをまとった淑女もいれば、対戦中の広報マンのコスプレ姿の紳士もいる。会場にはスィングジャズが鳴り響いている。

BSAに華を添えるヴィンテージスタイルの女性。

会場の鉄道博物館の展示も興味深い。鉄道には詳しくはないうえに東欧の機関車と来ては尚更だ。操車場はなかなかの迫力。野外でメンテナンスが行き届いておらず程度が悪いのを見るといたたまれない気持ちになるが、それでも何台かの車両は手を入れられており、実際に動かして来場者を乗せて短い距離を走らせていたりもする。

これは鉄道博物館。チャイカの鉄道バージョン。来場者を乗せてレースの上を行き来していた。

今回は、そんな賑わいをみせる遊園地のようなハンガリーの旧車ショーを楽しんだのだった。すべての写真はこちらからご覧いただきたい。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

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