世界4台のうち現存するのは1台だけ!|数々のラリーで戦績を残したトライアンフ TR3A ワークスラリーカー

RM Sotheby's

1958年のモンテカルロラリーに、スタンダード・トライアンフは4台のトライアンフTR3Aを出場させ、それぞれのマシンにはほぼ連続した登録番号が付けられていた。アニー・ソイスボーとコ・ドライバーのティシュ・オザンヌが乗るVRW 219、パディ・ホプカークとジャック・スコットが乗るVRW 220、ジョン・ワディントンとマイク・ウッドが乗るVRW 221、モーリス・ガトニデスとマルセル・ベカルトが乗るVRW 223だ。



このVRW221は、その当時ワディントンとウッドに割り当てられていたが、悪天候のためにワディントンが遅れ、リヨンに到着する前にイベントでは失格となった。しかし、失格となった者はモンテカルロまで行き、ラリーの最後に行われるプロムナードでのドライビングテストに参加することが許された。その結果、2人は単独で3位に入賞したのだ。



同年4月に開催されたアイルランド・サーキット・ラリーでは、ワークスジャガーやエキュリー・エコスで活躍したデズモンド・ティテリントンがVRW221を駆り、ブライアン・マカルディンと共同で参戦した。ティテリントンは、同じウルスター出身のホプカークに次ぐ2位を獲得し、スタンダード・トライアンフはトップ2フィニッシュという素晴らしい結果を残した。その後、ロン・グールドボーンがスチュアート・ターナーと共にVRW221のドライバーを務め、チューリップ・ラリーでクラス優勝、総合10位を獲得した。



そしてその後、ラリー・デ・パルプではティテリントンとマカルディンのクルーに戻り、総合8位、クラス3位を獲得した。最後のワークス参戦となったツール・ド・フランスでは、オーストラリア人のデビッド・マッケイとデビッド・ルーインがドライブした。TR3Aは終始好調で、最終日の夜には総合15位を走行していたが、ブレーキトラブルにより最終日にリタイヤした。



1959年にワークスから元ドライバーのロン・ゴールドボーンに売却された後、何人かのオーナーを経て、マーティン・キングが長期にわたって所有することになった。1996年から2009年にかけてオーストリアで所有されていたこのトライアンフは、その後イギリスへ戻り、スリーキャッスルラリーやラリー・オブ・ザ・テストなど、数多くのヒストリックラリーに参戦した。2019年には、ジョン・カーとコリン・ドハティのドライブで、3日間のキッツビューヘラー・アルペンラリーを走破している。



このTR3Aは、希少なオーバードライブ・トランスミッションを搭載し、ブラウンのレザーにアップルグリーンのオリジナルカラーを身にまとったマッチングナンバーの個体として展示されており、非常に重要な車であると言えるだろう。2018年から2020年にかけて、イーストサセックス州ヘイスティングス近郊に拠点を置く1950年代および1960年代のレーシングカーのスペシャリストであるジャスト ヒストリック カーズ社によって、1万ポンド以上の整備と準備作業が行われた。



トライアンフによる1958年のモンテカルロ・カーの中で唯一現存しているとされるこの車は、11月6日開催のRM Sotheby’s主催のオークション「ロンドン」に出品される。当時のラリー用スポットライトなど多くの特徴を残しており、現在世界中で行われている多くのヒストリックラリーやツアーに参加するにも格好の一台となるだろう。予想落札価格は2200万円~2500万円だ。

オクタン日本版編集部

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