ベントレーのカスタマーカー初納車から100周年|ここでベントレーの歴史をあらためて振り返る

Bentley Motors

ベントレーモーターズがカスタマーカー、つまり顧客への車両の販売を開始してから100周年を迎えた。ベントレーの102年にわたる歴史の中で出荷された20万台以上の車両のうち、最初の1台として1921年にKS1661として登録された3リッターモデルは、ロンドンのノエル・ヴァン・ラールテが1,150ポンドで購⼊。彼はレースに情熱を注ぎ、一家はプールハーバーの近くにあるブラウンシー島を所有している裕福な顧客であった。



ヴァン・ラールテはベントレーを注⽂した最初の顧客であったが、最初に納車されたのは彼ではなかったという。初納車の栄誉を得たのは、1921年8⽉に3台の3リッターを購⼊し、最初に納⾞したアイバー・リュウェリンである。これは⽣産シャシーとしては3台目であり、世界最古の量産型ベントレーとして現存している。

3リッターは1924年と1927年のル・マン24時間レースで優勝し、伝説のベントレーボーイズがサーキットを⽀配し8年間で5回のベントレーの優勝という壮⼤な歴史が幕を開けた。そしてヴァン・ラールテのシャシーNo.1は1931年のフランスでのレースを最後に姿を消したのである。

最近開設された『モータリング・アーカイブ』から提供された1920年1⽉号の『The Autocar』に掲載された3リッターのレビューを見ると、当時の新型ベントレーをこのように表現している。「コンチネンタル・ツアーで使⽤する真のソート・タイプの軽量な⾞を求める⼈にとって、3リッターのベントレーは間違いなく最⾼の⾞です」



そして「真のエンスージアスト達にとっては、⾞には間違いなくパーソナリティーがあります。彼らにとって、⾞は単なる鉄やアルミの集合体ではなく、動物のようなものです。クラッチが噛み合い、細いステアリングホイールのリムを通してドライバーに感覚が伝わった途端、その魂が現れます」と書き加えられている。

続けて、3リッターを⼿に⼊れてすぐのヴァン・ラールテは、『The Autocar』の編集者に対して、次のように熱烈なレビューをしている。「私がベントレーを購⼊した理由は、道路上のあらゆる⾯で卓越した性能を発揮するからです。ステアリング、サスペンション、路⾯への追従性、ブレーキ、変速、エンジンの効率性など、私がこれまでに所有した、もしくは試したどのメーカーよりも、このメーカーが最も優れていると思います」



また、『Autocar』誌の編集者であるマーク・ティショー⽒は次のようにコメントしている。
「1895年までさかのぼる『Autocar』のアーカイブは、ベントレーの全歴史を網羅しています。最初のカスタマーカーが販売されたというベントレーの歴史における重要な出来事が起きたときには『Autocar』はすでに26年も経っていたのですから。『モータリング・アーカイブ』のデジタル化によってアーカイブへのアクセスが可能になり、このように特別なベントレーの起源を知ることができる素晴らしいストーリーを再発見して共有することが、より容易になりました」。

3リッターモデルはベントレーブランドの確⽴に⼤きく貢献し、その後、6 1/2、4 1/2、8、そして4リッターと、戦前期の最も個性的なヴィンテージカーが続いていく。

1952年には、ベントレーRタイプコンチネンタルがデビューし、人々を驚かせた。この世界最速の4シーターカーは、最⾼速度120マイル(約160km/h)を記録し、究極のラグジュアリー・グランドツアラーとなった。1960年代にはベントレーTシリーズが発表され、1970年代には⻑年使⽤されてきたV8エンジンが再設計され6.75リッターに拡⼤された。

その後、ミュルザンヌやターボRなど多くの名⾞が誕⽣。なかでもターボRは当時最速のロードゴーイングベントレーだった。1998年、フォルクスワーゲングループがベントレーを買収し、ベントレーの新時代の幕開けを告げる⼤規模な投資計画を開始したのは読者の皆さんならご存じのことだろう。

2001年にEXPスピード8でル・マンに凱旋した後、2年後にはベストセラーのコンチネンタルGTが発売され、2009年にはまったく新しいミュルザンヌが発売された。その後ベントレーは、2015年にベンテイガの登場で世界初のラグジュアリーSUVを⽣み出したことも記憶に新しい。

ベントレーの100周年記念の年である2019年には、新型フライングスパーが登場し、2020年には超希少なオープンモデルのバカラルが登場した。このハンドビルドの限定モデルは、世界で最も古いコーチビルダーであるベントレーマリナーによる伝統的なコーチビルディングへの回帰を意味するものである。

世界的なパンデミックにもかかわらず、ベントレーは2020年に過去最⾼の販売台数を記録、さらに画期的な「ビヨンド100」戦略も明らかにしている。持続可能なモビリティ・リーダーシップにより、ビジネスのあらゆる側⾯を効果的に改⾰していく。その⽬標は、2030年までにエンド・ツー・エンドでカーボンニュートラルを実現し、ベントレーの全製品をバッテリーのみで駆動することである。

エキサイティングな未来に向けて進み続けるベントレーだが、その特徴であるクラフツマンシップとエンジニアリング能⼒は、引き続きブランドの中核を成していく。ヴァン・ラールテに最初の量産型3リッターを販売してから100年、ベントレーはこれからもラグジュアリー自動車メーカーの最先端を⾛り続けていく。

オクタン日本版編集部

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