ルイ14世を嫉妬させた美しき城を彩る、華やかなクリスマス風景をフランスから

Tomonari SAKURAI

今年もあっという間に師走。クリスマスを目前に毎年恒例となったヴォー=ル=ヴィコント城を訪れた。パリ近郊のお城でもクリスマス向けにクリスマスの飾り付けを大々的にやることで有名で、僕自身ここに来ると年末の気分になる。昨年はコロナ禍で中止となったため、2年ぶりのヴォー=ル=ヴィコント城への訪問だ。コロナ禍ということもあり、オンラインでの事前予約が必要で30分ごとに分けての入場となる。当日券もあるが、時間帯によっては購入できないこともある。

クリスマスの代表格おもちゃの兵隊さんが門の前で待つ。

各部屋にクリスマスのデコレーションが。

屋内のイルミネーションやクリスマスデコレーションも楽しみだが、屋外のライトアップも幻想的で美しい。2年前から始まったプロジェクションマッピングもある。庭園では馬車が走り、屋外でも楽しめる。が、寒い!パリ周辺は朝晩0度前後で時折、氷点下。朝起きると車はまっ白だ。昼間も5度前後。外が暗くなるまで、お城の中で時間調整して見に行こうと思っても、時間が限られているし、密にならぬようさっさと外に追い出されてしまう。ホットワインでかじかむ手を温めながら夕闇がくるのを待つ。この時期、フランスの日没は17時前後だ。

この城はパリから100キロほど南下したところにある。ルイ14世時代に大蔵卿を務め高利貸しだったニコラ・フーケ。フーケはその地位を使って莫大な富を得てこの城を作った。当時最も有名なル・ヴォーという建築家を起用して建てたのがこのお城だ。しかし、時の王ルイ14世のお城よりも立派な城になったことから、王の怒りを買い投獄されてしまう。そしてルイ14世はこのお城を設計したメンバーを使ってヴェルサイユ宮殿を建てることになった。ヴェルサイユ宮殿の元になったことでも有名なのがこのお城なのだ。

ルイ14世を嫉妬させた美しき城。

今年のクリスマスデコレーションのテーマは、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの寓話をモチーフにしている。ジャン・ド・ラ・フォンテーヌは”ウサギとカメ”や”すべての道はローマへ通ず”など日本でも知られている話や、言葉を生み出している。特に動物を主人公にしている話が多いので各デコレーションに動物の仮面を使ったり、今回初めての試みとして城内でのプロジェクションマッピングではラ・フォンテーヌをテーマにしたものが公開された。

マネキンには動物の仮面が。ラ・フォンテーヌをテーマにしているからだ。でもちょっと怖い。

日が落ちて辺りが暗くなるとようやくメインイベントのお城に投射されるプロジェクションマッピングだ。内容は2年前と同じで、このお城の歴史をモチーフにお城が設計されるところから始まる。お城に設計図が投射され1/1サイズの設計図となる。そこから建築風景をアニメーションで投射し、華やかなる時代を過ぎやがて城主が投獄される。革命の後に衰退し現在のように復元されるまでを10分ほどで見せるのだ。

辺りが暗くなってくると光による演出の始まり。

庭園に面した側でこのマッピングの鑑賞を終え、正面を廻ってそれぞれの帰途につくわけだが、そこで振り返るとクリスマスツリーとライトアップで美しく彩られたヴォー=ル=ヴィコント城を照らし出しているのだ。この風景を見るだけでもここに来た価値がある。なんだかまた新しい株やら不穏な空気が漂っているが、皆様に素敵なクリスマスが訪れますように。

このライトアップは定番で毎年同じ。暗闇に包まれるほんのわずかな時間の藍色の空とのコントラストが綺麗で、これを見ると年末気分になる。数年前はこれが霧に包まれたのが神秘的だったのを今でも覚えている。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

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