クラブ員の団結力があれば旧車のトラブルも怖くない|フランス最大級のクラシックカークラブのミーティングを取材

Tomonari SAKURAI

12月最初の日曜日。恒例のヴァンセンヌ旧車クラブのミーティングを訪れた。前日のテレトンとは違って電車でのアクセスも良いので今回は電車で。また雨なのだ。週間予報を見るとこの先はずっと雨の予報でうんざりする。会場に到着すると前日の濡れネズミのような風体とは違うのを見て2CVのスペシャリスト“ブブ”さんに「今日は濡れてないね!」とからかわれた。

入場してくる参加車にはワクチンパスポートの提示が義務づけられている。入場を管理しているのはブブさん。

12月に入るとクリスマスの準備もあり、またこの天候でやや参加車も少なめ。ヴァンセンヌの森ではマラソン大会があるようでそちらも賑やかだし、会場で足を止める来場者は結構いる。今回の参加車でラリー用に改造されたビートル。10月24日~11月4日に11日間で2700kmを走破するモロッコでのラリーから戻ってきたばかりの車両だ。VW AFRICAというイベントでVWのみが参加するものだ。

アフリカのラリーから戻ってきたばかりのビートル。

女性オーナー、サンドリンのランドローバーシリーズ2は来年の干支のトラのシマシマ柄。それを挟んで別の2台のランドローバー。トラ縞のシリーズ2のオーナー、サンドリンは子どものころ見たテレビシリーズ“密林王国ダクタリ”の影響からこのランドローバーのほか2台、合計3台のランドローバーを所有する強者。2年前のパリ横断の途中で動かなくなって別のクラブのローバーに助けられ、前回のパリ横断では逆に他に止まったローバーを助けたという。このクラブにいれば、旧車も怖くないと語ってくれた。

3台のランドローバーを所有する女性オーナーのトラ縞を囲んで、3台のクラブのランドローバーが揃う。

フランス最大級のクラブであるがゆえ、皆が皆知っているわけではない。だからこの毎月のミーティングで同じ車のオーナーが出会ったりすることもできる。そんな場面を今回も見ることができた。新旧のルノー4がそれだった。

2台のルノー4がすれ違う。奥の一台は初代の1962年製。手前は最終の1980年代のモデル。

天候が悪いのでさすがにオートバイの参加は少ない。その中でもヴェロソレックスは堂々と真ん中に陣取って数台が並べられていた。

雨にも負けず参加するヴェロソレックス。フロントに積んでいるのはソレクシン。BPと共同開発したソレックス専用のオイルが添加された燃料。

ワクチンを義務づけしたため毎日5万人を超す新規感染者があっても国民に行動の制限ができない中、こういった野外のイベントでもワクチンパスポートの提示が義務づけられ、ワクチンの接種の義務化を徹底していく方向だ。とはいえ、パスポートチェックは主催者側が行っている。パスポートを持ってると言えば入れてしまうようなゆるいチェックはフランス流。そのくらいでちょうどいいのだろう。来月はもう年が明け2022年最初のパリ横断だ。イベント盛りだくさんの楽しい年になりますように!


写真・文:櫻井朋成 Words and Photography: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成 Words and Photography: Tomonari SAKURAI

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事