2021年のクラシックカー界を振り返る|第11回ヒストリック・モータリング・アワード受賞者発表!【前編/ミュージアム部門、クラシックカークラブ部門ほか】

Octane

ヒストリック・モータリング・アワードは、クラシックカー業界で唯一の世界的な賞で、エンスージアストからも関係者からも、最も権威ある賞として認められている。

過去最多で最も多様な選考委員が14のカテゴリーを審査し、カー・オブ・ザ・イヤーは『Octane』の読者投票で選ばれた。選考委員には、レーシングドライバーのデレック・ベルや、ジェイ・レノといった著名人のほか、世界的コレクターや業界関係者など39人が名を連ね、日本からは、大里研究所理事長の林幸泰氏と、オクタン日本版編集長の堀江史朗が参加。公正を期すため、関係するカテゴリーへの投票は控え、各自が単独で選考を行い、すべての投票が終了してから開票した。

出版部門
『ミスター・ル・マン―トム・クリステンセン』
(トム・クリステンセン/ダン・フィリップセン著、エヴロパブリッシング刊)
耐久レースのレジェンドによる心をわしづかみにする自伝。

次点
『ジョセフ・フィゴニ:ル・グラン・クチュリエ・ド・ラ・カロセリー・オートモビール Vol. 1 アルファロメオ』
(ペーター・M・ラーセン/ベン・エリクソン著、モーター!刊)
『マクラーレンF1 GTR―ザ・ディフィニティヴ・ヒストリー』
(マーク・コール著、ポータープレスインターナショナル刊)
『JUE 477:ザ・リマーカブル・ヒストリー・アンド・レストレーション・オブ・ザ・ワールズ・ファースト・プロダクション・ランドローバー』
(マーティン・ポート著、ポータープレスインターナショナル刊)
『レーシング・スルー・ユーロップ―ザ・モータースポーツ・フォトグラフィー・オブ・ブライアン・ジョスリン』
(デヴィッド・トレメイン著、パラワンプレス刊)

私設ミュージアム/コレクション部門
マリン自動車博物館
カリフォルニアに位置する個人所有の見事な施設。ピーター・マリンの驚くべきアールデコ・コレクションを中心に、ブガッティやドラエなどの走る芸術のほか、2021年コンクール・オブ・エレガンスで最優秀賞に輝いたヴォワザンC-27アエロスポールなどを展示する。当時の絵画や彫刻、家具も美しい。

次点
スタジオ434
グレート・ブリティッシュカー・ジャーニー
オートワールド・ブリュッセル
ムゼウ・ド・カラムロ

クラシックカークラブ部門
ヴィンテージ・スポーツカー・クラブ
ヴィンテージ・スポーツカー・クラブは、歴史の長さと規模において世界屈指の地位を守っており、安全かつ刺激的な環境でヴィンテージカーを使う機会を数多くのカテゴリーで提供している。ここ1年半のコロナ禍においても、伝統のプレスコット・ショートコースを継続し、マロリーパークのイベントを成功させた。

次点
ミッドランド・オートモビール・クラブ
Eタイプ・クラブ
メルセデス・ベンツ・クラブ
アストンマーティン・ヘリテージ・トラスト

スペシャリスト部門
クラシックモーターカーズ
クラシックモーターカーズは、この25年間、レストアの最前線で活躍し、対象メーカーもジャガーに始まってアストンマーティンなどに拡大してきた。ヒストリック・モータリング・アワードのレストア・オブ・ザ・イヤーを2回受賞している唯一の会社であり、2021年は、アストンマーティン・ブルドッグのレストアという大事業を完成させた。

次点
モス・オートモーティヴ
エアチャンバー(グレアム・ホーダー)
HKエンジニアリング
ロングストーン・タイヤズ

研修生部門
ジョー・メラー(ティム・ウォーカー・レストレーションズ)
ヘリテージ・スキルズ・アカデミーの最終学年に所属するジョーは、ティム・ウォーカー・レストレーションズで6年間働き、見積もりからパーツ調達、顧客との繊細なやり取りまで、すべての仕事を素晴らしいプロ意識でこなしている。また、マーケティングやメディア、イベント、さらには経理など、ビジネスの様々な側面を熱心に学んでおり、会社のブラスト業務の運営を単独で任されている。

次点
セバスチャン・ローズ(バリー・カーター)
ジョシュ・バローズ(リッキ・カン)
ハリソン・スミス(デズモンド・J・スメイル)
トム・ホリアー(カドリーンLtd)
ハリー・フィチェット(プロジェクトショップ)
ベン・アシュトン(ニコラス・ミー&Co)
アダム・デイル(ヒリアー・ヒル)
ジョージ・カーワディン(バークス・モーターワークス)
オーランド・ヘイワード(オリヴァー・ウェイLtd)

注目の若手部門
リア・ギリアード-ワッツ
リアはクロプレディ・ブリッジ・カーズの事業責任者で、オックスフォードシャー州議会を事業開発担当として補佐し、ジェンセン・オーナーズクラブ会報の編集を行う傍ら、クラシックカー分野の女性を代表するドリヴン・コレクティヴを設立した。

マーリン・マコーマック
マーリンは11歳で車の販売を始め、19歳でデューク・オブ・ロンドンを設立。廃工場を、クラシックカー好きが集まる活気ある拠点に変貌させた。活動は施設外にも広がり、コッツウォルズへのドライブや、シェルズリーウォルシュでの初のヒルクライムも開催している。

次点
ルーベン・スミス
ジム・エドワーズ
ダン・コガー

業界サポート部門
フットマン・ジェームズ
1983年創業のフットマン・ジェームズは、クラシックカー専門の保険会社で、現在の顧客は8万5000人を優に超える。クラシックカー業界にひと味違うサポートを提供しており、朝食付きのクラシック・ミーティング、コーヒー&クロームを開催し、クローム・コレクティヴというクラブも運営する。ブリティッシュ・モーター・ミュージアムなど、キープレーヤーと提携しているほか、発行する季刊誌では役立つ情報やニュース、プレゼント企画などを提供。また、いくつもの著名なコンクールやイベントでスポンサーを務めている。

特別推奨
モチュール

次点
ヘリテージ・スキルズ・アカデミー
ハガティー
ショパール


イベントやカー・オブ・ザ・イヤーなどの部門賞は、中編~後編にて紹介する予定だ。

翻訳:木下 恵 まとめ:オクタン日本版編集部

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