待望のミドルサイズ・シトロエンが帰ってきた!新型シトロエンC4 & Ë-C4 ELECTRICプレス発表会レポート

Yoshisuke MAYUMI

仕事始め早々の2020年1月7日、新型シトロエンC4 & Ë-C4 ELECTRICのプレス発表会が代官山T-SITEで行われた。サイズが拡大され自慢のPHCを搭載した新型C4とシトロエンとして初の日本導入となった電気自動車(EV)のË-C4 ELECTRICは、かつてのGSやBX、そしてエグザンティアといったミドルサイズ・シトロエンのような熱気を日本にもたらすことができるのであろうか。



発表会の冒頭、Groupe PSA Japan 株式会社代表取締役社長 兼 CEOのポンタス・ヘグストロム氏は、2021年の日本マーケットにおけるFCAジャパンとグループPSAジャパンの7つのブランド合計の販売台数が4万4000台以上、前年比も110%を超えたことを明らかにした。そんなステランティスの中でもシトロエンは8年連続で前年を上回り、1990年以来、最高となる5800台以上の販売台数と117%の前年比を達成するなど、ひときわ好調だ。



日本マーケットのシトロエンを牽引したのは2020年に販売を開始したベルランゴで、その売り上げは全体の半分を占めた。C3やC3エアクロスSUV、C5エアクロスSUVなど、新しいシトロエンのデザイン言語を組み込んだモデルたちも、その好調を支えているヘグストロム氏は述べた。また、C3やC5エアクロスSUV プラグインハイブリッドなどで実施したオンラインPRイベントと、サイクルモードライド大阪、フジロックフェスティバル、下北沢での「La Fete a la Facon de CITROËN」などでのオフラインの実車展示会というPR手法もシトロエン快進撃の理由に挙げた。



今回、日本でも発売が開始された新型C4の特徴は4つ、拡大されたサイズ、伝統と最新のデザイン言語を織り交ぜたスタイリング、ハイドロニューマチックの現代的解釈とするPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)の採用、そしてガソリン、ディーゼル、EVと3つ揃ったパワーユニットだ。



特に全長4,375mm×全幅1,800mm×全高1.530mmというサイズはなかなか絶妙だ。長さでいえば日本で人気のあったミドルサイズ・シトロエンのBXとエグザンティアのちょうど中間で、幅は往年のモデルより広くなってはいるものの1.8m以内に収まっている。全高も1.53m以内で日本の立体駐車場ユーザーには嬉しいポイントだろう。



新型C4は実用的なCセグハッチバックデザインだった初代、2代目C4とは大きく印象が変わった。実質的にミドルサイズ・シトロエンのスタートだったGSへのオマージュを感じさせる6ライトの外観デザインには、C4カクタス以降の新しいシトロエンデザインが組み合わされ、クロスモデルライクな雰囲気を醸し出している。最低地上高は170mm確保され、195/60R18という大きいが細くて厚めのタイヤ(ただし銘柄はオールシーズンではなく最新のエコタイヤ)を履いているあたりもユニークだ。

何年か前から「CITROËN ADVANCED COMFORT® PROGRAMME」というコンセプトを掲げて、快適性をブランド価値に据えたシトロエンらしく、新型C4にもPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)とアドバンスドコンフォートシートなどが組み込まれている。特にPHCは魔法の絨毯と呼ばれたシトロエン独自の油圧サスペンションシステム「ハイドロニューマチック」を彷彿とさせる乗り心地を提供する。



パワーユニットの注目はシトロエンとしては日本初導入となるEV(電気自動車)のË-C4 ELECTRICだ。50kw/hのバッテリーをフロントシート下、リアシート下、センタコンソール下などに分散配置したことで、エンジン車と変わらない室内&ラゲッジスペースを確保している。最大出力とトルクは136ps/ 260 Nmで、0-100 km/h加速9.7秒、最高速度は150km/hと十分な動力性能を発揮する。気になる航続距離もWLTCモードで405km、CHAdeMO規格での急速充電にも対応している。ちなみに電費効率は日産リーフを上回る140wh/kmという優れた数値だ。



一方で「パワートレインの選択の自由」を掲げた新型C4の販売の主力はベルランゴで定評のある1.5Lディーゼルターボだろう。ベルランゴ同様にアイシン製8段ATが組み合わされ、最新の欧州排出ガス規制EURO6.3をクリアしつつも、最高出力130ps/最大トルク300Nmの余裕の走りを生み出している。もちろんおなじみ1.2 Lガソリンターボ(最高出力130ps/最大トルク230Nm)も用意される。

先進運転支援についても自動ブレーキはもちろん、全車速対応ACCやレーンポジショニング アシストなど17の機能を備えた最新バージョンが搭載されている。グレードはガソリン車のみ受注生産でベーシックグレードのFEELが設定されているが、メインは3つのパワーユニット全てに用意された、大型スライディングガラスサンルーフやレザー&テップレザーシートを装備したSHINEだろう。

価格はFEELが2,900,000円、SHINEのガソリン3,250,000円、ディーゼル3,450,000円、EVのË-C4で4,650,000円と実に戦略的な設定だ。内容を考えるとバーゲンプライスと言ってもいいのではないだろうか。関係者によれば当初の導入台数はそれほど多くないとのことなので、気になる方は早めの行動が吉だ。

発表会に参加したシトロエンオーナーがプレゼンを真剣に見守る。

雪上がりの悪条件にもかかわらず駆けつけたオーナーたちのシトロエン。日本に2台しかない貴重なBX 4TCの姿も。

今回の発表会にはプレス以外にも歴代シトロエンのオーナーが10名ほど招待され、BXを30年以上所有している山下さんと、BX、CXと乗り継いだ永野さんの2名のオーナーを交えての座談会コーナーも用意された。



かつてのミドルサイズ・シトロエンの流れを汲むスタイルや、ハイドロニューマチックの現代版であるPHCなど、新型C4はネオクラシックなシトロエンオーナーからも好意的に受け止められているようだった。



ちなみにプレス発表会の会場となった代官山T-SITEでは、その後「GARAGE DE CITROËN」と銘打ったイベントが1月7日から10日まで開催され、新型C4 & Ë-C4 ELECTRICの展示や試乗、歴代シトロエンによる「モーニングクルーズ」、シトロエンをテーマとした数多くの作品を遺した色鉛筆画家であり絵本作家の故・今村幸治郎氏の作品ミニギャラリー展示なども行われた。

(クレジット)
文・写真:馬弓 良輔
Words & Photography:Yoshisuke MAYUMI

文・写真:馬弓 良輔 Words & Photography:Yoshisuke MAYUMI

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